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Sightsong

自縄自縛日記

ミシェル・ンデゲオチェロ『Comet, Come to Me』

2014-10-13 22:10:27 | アヴァンギャルド・ジャズ

気が向いて、ミシェル・ンデゲオチェロの新作『Comet, Come to Me』(P-Vine Records、2014年)を聴いている。

Meshell Ndegeocello (vo, b)
Chris Bruce (g)
Jebin Bruni (key)
Earl Harvin (ds, perc) etc.

これまで、1996年頃のミシェルの姿しか知らなかった。『Peace Beyond Passion』を発表した頃である。ジョシュア・レッドマンのサックスをフィーチャーしており、その後もジャズに近づいたと評された作品や、ニーナ・シモンへのオマージュ作品が発表され、ずっと気になってはいた。

18年前に比べると、随分とシンプルでしっとりとした印象が強い。確かに、曲の作り込みにもリズムにもさまざまな要素が詰め込まれている。それでも目立つのは、ミシェルのベースと、何よりも滑らかなヴォイスだ。素直にクールだと言うことができる。正直言って、ここまで構えずに聴ける作品とは予想していなかった。来日公演にも駆け付けるべきだった。

●参照
ミシェル・ンデゲオチェロの映像『Holland 1996』


テレサ・テン『淡淡幽情』

2014-10-13 19:44:39 | ポップス

先日、テレサ・テン(麗君)の大名盤『淡淡幽情』(1983年)の24ビット100kHzマスタリング・限定盤の存在を知り(twitterで教えていただいた)、探して入手することができた。旧盤の録音も決して悪くはないのだが、新盤を聴くと、実にキメ細かくいろいろな音が聞こえてくる。

これは香港ポリグラムから発売され、香港の「レコード大賞」的な「Album of the Year」を受賞した作品。すでに日本でビッグネームであったテレサだが、ここでは、おっさんの妄想ソングではなく、中国の古典詩に曲を付けたものである。わたしも初めて聴いたときから魅せられて、ずっと聴き続けている。

テレサの唄はエッジが丸く、突き抜けた優しさと力がある。中村とうようが「聞き手を慰撫する仏の境地だった」(『ポピュラー音楽の世紀』岩波新書)と表現しているのは、決して大袈裟ではない。

すべての曲が本当に素晴らしいのだが、なかでも好きな曲は「萬葉千聲」。「わざわざ枕に寄り、あなたを夢の中で探したいが、なかなか眠れず、良い夢にならない」という意味の詩を情感たっぷりに唄うテレサの声をどう表現すべきか。旧盤の歌詞対訳を読みながら聴くと、身悶えして、カフェで聴いていても涙腺がゆるんでしまうほどだ。

LP盤もいつの日か入手したほうがよいのかな。

●参照
私の家は山の向こう
私の家は山の向こう(2)
宇崎真、渡辺也寸志『テレサ・テンの真実』
フェイ・ウォン『The Best of Faye Wong』、『マイ・フェイヴァリット』
楊逸『時が滲む朝』


ハンク・クロフォードのアレサ・フランクリン集

2014-10-13 09:59:35 | アヴァンギャルド・ジャズ

ハンク・クロフォードアレサ・フランクリンの曲を取り上げた作品『Mr. Blues Plays Lady Soul』(Atlantic、1969年)。

先日飛行機の中で聴いてえらく気に入って、早速入手した。アレサのアトランティック盤5枚組(『Lady Soul』など)から、同じ曲を探して、比べながら聴く。

Hank Crawford (as)
David Newman (ts)
Eric Gale (g) etc.

サックスは人間の肉声に近いとはよく言われることだが、ハンクロのブローはまさにそれだ。気持よくアルトを吹き切り、文字通りブルージーでソウルフル。この真っ直ぐさがアレサの歌とシンクロする。

エリック・ゲイルのギター、デイヴィッド・ニューマンのテナーサックスもはまりまくり。

●参照
ギル・エヴァンス『Plays the Music of Jimi Hendrix』
デイヴィッド・マレイのグレイトフル・デッド集
ウィリアム・パーカーのカーティス・メイフィールド集


『A Tribute to Bill Evans』

2014-10-13 07:39:19 | アヴァンギャルド・ジャズ

ケニー・ホイーラートニー・オクスレーを目当てに、DVD『A Tribute to Bill Evans』(Columbia、1991年)を観る。

Gordon Beck (p)
Kenny Wheeler (tp, flh)
Tony Oxley (ds)
Stan Sulzmann (sax, fl)
Dieter Ilg (b)

期待しただけに、あまりにもフツーの演奏に肩すかし。ホイーラーのプレイも、ちょっと文脈が違うのか、ああホイーラーが吹いているね、程度の感慨しか持てない。

収穫は、さまざまなサイズのドラムスとシンバルとを流れるように叩くオクスレー。この深い懐があったから、セシル・テイラーやジョン・サーマンを受けとめ対峙することができたのだなと実感できる。

●参照
ケニー・ホイーラー+リー・コニッツ+デイヴ・ホランド+ビル・フリゼール『Angel Song』
ジョン・サーマン『Flashpoint: NDR Jazz Workshop - April '69』
セシル・テイラー+ビル・ディクソン+トニー・オクスレー
セシル・テイラーの映像『Burning Poles』