ハノイ便り

久しぶりの海外転勤、日々の記録として書き綴ります。

北京 紫禁城

2012-07-24 08:38:26 | Weblog

7月24日 くもり 蒸し暑い

7月15日から18日までの北京への旅は、食事中突然の、北京に北京ダックを食べに行こう、というオットの言葉で始まった。

で、北京に行ってなにをする?……北京ダックと

世界遺産の万里の長城と紫禁城に行く、毛沢東さんの冷凍保存とパンダに会いにいく…くらいつしか思いつかない。

北京で働いている友達のお嬢さんに御願いして、万里の長城と北京動物園にはガイドと車を手配してもらい、あとは自力でなんとかなるでしょう…

地図上では、紫禁城はホテルから地下鉄で数駅、楽勝…と思ったが…

地下鉄にはじまり、天安門広場のまわりは人、ひと、ヒト、しかも暑い、観光案内所もない。

仕方がないので、わたしの得意なジェスチャーで、衛兵さんに紫禁城に行きたいと聞く。

「ああ、あの人ごみに入ればいのね」、とは思うが不安、チケットを買うのにあたふたし、なんとか中に入れたと思っても、場所の確認をするゆとりもなく、人に流されてゆく。

どうも一方通行で、戻ることができないと出口あたりで気がつき、「わたしは紫禁城の建物と人をみに来たのではない、陶磁器館で、焼き物が見たかったのに」、とだだをこねたがあとの祭り、人ごみに押し流され、門をでてしまった。

帰国の日、毛沢東さんに会いにいったついでに、リベンジと紫禁城に行き、今度はあたりをつけてまっしぐらに陶磁器館をめざした。

エアコンも効いていない、暗い展示室のなかには、

 

紀元前2000年から2400年に作られた赤陶器の壷たち

    

思わず息をのんでしまった、清朝の桃の絵付けの大皿、ほかにも透明感あふれる涼しげな金魚の壷があったりして、出直してきてよかったと心から思うことができた。

中国といえばあんまりいい印象を持たない私にとって、これらの陶器に出会えただけで、この国に息づく長い歴史や文化の底知れない深さに驚き、敬意を表してしまった。

そうなると単純な私は、紫禁城を囲む赤い塀からのぞく、赤みがかった青い(浅田次郎はこの色を瑠璃色と表現している)屋根の色にもため息のでるような美しさを感じてしまう。

            

とはいえ、門を出たところで店開きしている果物屋さんにアジアらしさを感じ、ほっと笑えた。