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岡本太郎『今日の芸術』感想

2011年04月06日 00時21分14秒 | 文学
生誕100年ということでテレビドラマも全部見て、瀬戸内寂聴が語る特別番組も見たので興味を持ち、岡本太郎の『今日の芸術 時代を創造するものは誰か』(光文社知恵の森文庫)を読んだ。
とにかく新しいことが良いことなのだという考えと、芸術を大衆のものにしようという気持ちが強かった。絵を描こうとするとこれまで見たことのある絵をお手本に真似しようとしてしまって、自分にはうまく書けないと思ってしまう。それで嫌になってしまうものなのだが、私(=岡本太郎)のようになら誰だってすぐに気負わずに描けるじゃないかというようなことを言っているところがあり、なるほどと思った。
芸術を自分が作るものではないと思っているのは確かだ。
これは小林秀雄が、骨董品を使えとか勾玉を買って握ってみろと言っていたのに通じるものがある。
そのように思っていたら、『今日の芸術』の続編の『日本の伝統』ではなく、小林秀雄の『近代絵画』や『ゴッホの手紙』が読みたくなった。
岡本太郎の本もなかなかおもしろかったのだが、続編でも基本的な主張は変わらないのではなかろうかと思うと、「新しいものはいい」とか「俺はひととは違う」みたいな前のめりな主張がちょっと疲れるかなと思ってしまう。

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