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デカルト『省察』

2020年06月16日 18時55分09秒 | 文学
デカルト『省察』(中公クラシックス『省察・情念論』所収)を読んだ。
この本は、神があることと、精神が身体とは別のものであることを証明するために書いたということらしい。
デカルトの神の存在証明の話を読んでいると、なんでそんなことを証明しなければいけないのかなと思い、どうしても興味をなくしてしまう。完全な概念を不完全な私が考えることができるのだから完全な神がいるのは間違いないというような話なのだけれど、その前提が納得できないんだよ、と思ってしまう。

《判断をくだすにあたって、悟性によって明晰判明に示されるものだけにしかおよばぬように、意志を制限しさえするなら、私が誤るということはまったく起こりえないのである。》(92頁)
というところはなるほどと思った。判断が間違うのはよく分かってもいないのに決めてしまおうというところに問題があるので、はっきりと分かることしか判断しない、というのは正しい。しかし、このように書いてみると、そんなふうに優柔不断(そう僕には見えるだろう)な態度は僕は嫌いだろうな。他人を見ていて、間違ってもいいから決めてしまえ、と思う場面が人生で何度もあった。
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