South Is. Alps
South Is. Alps
Coromandel
Coromandel, NZ
Square Kauri
Square Kauri, NZ
Lake Griffin
Lake Griffin


『クロニスタ 戦争人類学者 (ハヤカワ文庫JA)』

柴田勝家、2016、『クロニスタ 戦争人類学者 (ハヤカワ文庫JA)』、早川書房

作者の名前とネットでの露出、たとえば、自分のことを「オレ」とかいうのは、いまいちな印象だったので、前作(『ニルヤの島』)は手に取らなかったのだが、本作タイトルに「戦争人類学者」というネーミングが含まれていることに惹かれて読んでみた。

うーん、確かに、帯の惹句『新生代が継承する「虐殺器官」の問の崖で』のように伊藤計劃の流れとも見え、セッティングは確かに仕掛けられているようにみえる。しかし、『自己相」というインターネット(?)を前提とした意識、知識、自我の共有や古人類学や考古学の成果の断片(たとえば、現世人類とホモ・ネアンデルターレンシスについての仮設)のミックスはいかにも底が浅く見えてしまったのだけれど。くわえて、なぜ、日本人の血を引く主人公が必要か、日本のマーケットを狙ったという低次元で妥協したことが見えてしまって、こうしたセッティングが世界的な文脈の中でどのように位置づけられるかについての想像力が欠けているように思える。まあ、残念な作品と思う。

クロニスタ 戦争人類学者 (ハヤカワ文庫JA)
柴田勝家
早川書房

2016-07-16 22:08:06 | 読書 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


« 丸ズッキーニ... 7月16日(土)の... »


 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。