「終末のフール」

今年3冊目。

「終末のフール」伊坂幸太郎


伊坂幸太郎の本読むのはわりと久し振り、かな？

長編と思って買ったんですが、長編のような短編集のような。

人類があと5年で滅びてしまうという発表があり、大混乱となった世界。
その混乱にも人々が飽きてしまって混乱でなくなった人や逃げてしまった人がいて
かなり住民の減ってしまったある町の話。
もうあと3年でおわってしまうという頃。

同じ町に住む人たちがそれぞれ各章の主人公となってその人を中心とした話になっていて
１つ１つ完結してはいるので、ほぼ短編。
でも同じ町のお話なので微妙にそれぞれの章に脇役として登場していたりするので
つながっているといえばつながっている。
私はどっぷりその世界に入りこむのが好きなのですぐ終わってしまう短編より長編の
ほうが好きなのです。でもさすが伊坂幸太郎という感じで、その短いお話がものすごく
よくできています。
世界の終わりなんだけど、混乱が落ち着いたあとということもありものすごーく穏やか。
ちらちらとえぐい場面も出てくるものの、私がいつもよんでるミステリーなんかと
比べたらかなり落ち着いた世界。

この人の作品って途中どれだけ恐ろしくてえぐくても、ラストシーンがかなり清々しいと思うのです。
最近ばんばん映画化されてるけど、この話も映像化されるとしたらラストはすごく
きもちいいんだろうなと。ラストが、映像が浮かぶようなかんじだったんですよね。


関係ないけど、各章のタイトルが「終末のフール」「冬眠のガール」「演劇のオール」
みたいな感じなのですが。
・・・ハライチを思い出したよ（笑）
・・・水色のムック（笑）