しむループ

６年ほど前でしょうか。彼の音楽をちゃんと聴くようになったのは。

始め曲を聴いた時は『この人達こんなにカッコいい伴奏するのに、何で変な歌詞つけるんだろう。勿体無い。しかもボーカルの人歌があんまり上手くない。』という感想。

そっから『歌詞が変だ変だと思ってたけど、よく考えたらここまでいくと逆にこの人スゴいんじゃないか？天才なんじゃないか？』となり。

そして『何だか分からないけどずっと考えてしまう。歌声が頭から離れない。』となり、私は無事（？）にしむしむ中毒となった訳です。

そっから曲を聴きまくって、もう大好きで大好きで仕方なくなって。でも志村正彦は既にもうこの世に居なくて。

会えないから、DVDとか本とか雑誌だったりを集めまくりました。知りたくて知りたくて。

その熱が最高潮に達した時、どうにも止まらなくなってブログを始めたんですね。もうね、誰かに彼の素晴らしさを言いたくて言いたくて仕方なくなって。

と同時に、聴けば聴くほどに今度はどんどん辛くなってきて聴けなくなりました。『何で死んじゃったんだよ～…』という。（ここは志村君を好きになった人なら誰もが通る道だと思う）

それでもやっぱりまた聴きたくなって『素晴らしいなぁ』と思って。

そんな悶々とした気持ちが少し落ち着いてきてから、フジファブリック（山内時代）のライブに一人で行きました。因みに、志村君を好きになって３年かかりました。

しかも初回ライブは、観終わった後本当に苦しくなった。志村君が居ないことに打ちのめされたんだと思います。終わってすぐ会場を出て、思い切り走って帰りました。言葉に出来ない想いがありました。

それから振り返ったりメンバーの想いとか聞いて色々と考えて、『私はフジファブリック（山内時代）を応援しよう！』となって。

でもそーくんの声を聴けば聴くほどに、やっぱ志村君が居ないのは悲しいなぁ…ってなって。ずっとその繰り返しでした。

ここ最近は、フジファブリック（志村時代）を聴かない日も出てきたりしてたんですね。『あぁ、私も遂にこんな感じになったのか…』と。もう６年ですからね。自然な事なのかなぁと。

なんて事を思ってたんですけど、今日また志村君の声を聴いて『やっぱりこの人本当にスゴいな』って思って。

きっとまだまだ続くのね。私のしむループ。

いくら望んでももう彼の新しい曲を聴けないのが辛い。でも聴く…みたいな。



色んな方が言うように、志村さんの歌は特別上手いという訳ではないとは思います。歌声も安定してない。

だけど、彼は一生懸命心で伝えてくるんです。

私が志村さんの曲をちゃんと聴き始めた時、彼は既にこの世には居なかった。それはつまり“現在進行形”では無い彼を好きになったということでもある訳で。

だから、私の中の彼は永遠に“過去”にはならないのだと思う。彼の歌声は私の中ではずっと“現在”。

そして私のように、志村正彦が“過去”ではない人達が今後も増えてくれると嬉しいなぁと思います。

しむループは延々ループ。