「小笠原諸島」の世界遺産登録を伝えるNHKのテレビ
小笠原諸島は、東京都に属しているとは言え、はるか太平洋の彼方に広がる群島であり、父島、母島、硫黄島、南鳥島以外の島は無人島だ。一般住民が居住しているのは、父島と母島のみであり、硫黄島には、自衛隊、南鳥島には、自衛隊・気象庁・海上保安庁の施設があり、その職員等のみが業務目的で常駐しているに過ぎない。いわば絶海の島々であり、その為に、逆に、生態系の豊かさが、育まれて来たのだ。
何しろ、日本本土からの交通の便は、東京港と父島を結ぶ貨客船で、所要時間25時間30分、おおむね観光シーズンは3日に1便、オフシーズンは6日に1便就航)と言う次第だ。片道運賃は等級によって異なるが、2万2570円~ 5万6490円、(夏期は、2万5100円~ 6万2790円)と言う。飛行機の活用も考えられたと言うが、飛行場の用地確保も難しいし、何より、交通便利を図って、観光地化するのを地元は嫌っていると言う。世界自然遺産となった意義を考えると、このまま未開発の方が、良いのかも知れない。
朗報は、連続して齎された。ユネスコの世界遺産委員会は26日、日本が再推薦した「平泉」(岩手県平泉町)を、世界文化遺産に登録する、と発表したのだ。実は、自然遺産の方は、「小笠原」は、屋久島 、白神山地、知床に続く4番目であったが、「文化遺産」となると、法隆寺地域の仏教建造物 、姫路城、古都京都の文化財、白川郷・五箇山の合掌造り集落、原爆ドーム、厳島神社、古都奈良の文化財、日光の社寺、琉球王国のグスク及び関連遺産群 、紀伊山地の霊場と参詣道、石見銀山遺跡とその文化的景観、と言うように数が多い。さすがは「文化を誇る国」柄である。
平泉は、12世紀に、東北地方で栄えた奥州藤原氏ゆかりの土地。戦乱の後、初代藤原清衡が、平泉を「仏の住む極楽浄土」にしようと考えて、中尊寺を建てた。同寺には藤原4代の遺体が眠る金色堂がある。登録されるのは、この中尊寺をはじめ、毛越寺、金鶏山、無量光院跡、観自在王院跡の計5遺産となったとか。歴史的にも鎌倉幕府に追われた源義経が、この地で、亡くなっている。芭蕉もこの地を訪れ「夏草や 兵どもが 夢の跡」と詠嘆している。人の世の栄枯盛衰が、泡沫であると断じ、永遠の極楽世界を願望した場所なのだ。
中尊寺、金色堂
私も2度、3度と訪れて、金色堂の眩いばかりの堂内、仏像を見学した。こんな日本の中心を離れた場所に、このような高度な文化的技術を発達させた奥州人に、感服したものである。東北地方は、今回の大震災で大きな被害を受けた。その一つが、観光地への客の激減である。今回の世界文化遺産への登録が、「平泉」への「呼び水」になってくれることを祈りたいものである。
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