どの事件も、原因のすべてではないが、父母の「離婚」が、遠因をなしていることは明白である。まだ若い母親が離婚した結果、新しい男性と交際を始めるのは、不思議ではない。しかし、新しい義理の父親は、血の繋がっていない子供たちまでも、愛するとは限らない。野生動物の世界では、ライオンは父親の違う子供を噛み殺すと言うし、ペンギンの集団でも、母親にはぐれた子供ペンギンは、他の親鳥に突き殺されるらしい。人間世界も、野生動物と異ならない「動物」の本能が残っているのかも知れない。
逆の例もある。友人に30万円で、母親の殺害を持ちかけていた北海道稚内市の殺人事件。逮捕された高校1年の長男(16)と友人の少年(15)は、共に両親が離婚し母親と暮らしていた。長男は動機について「離婚に不満があり、父親も殺したかった」と供述しているという。昨年1年間に少年が父母を殺害したり、未遂に終わった事件は17件に上るとか。このブログにも書いたが、今年6月には、奈良県の高校1年生男子が自宅に放火し、父親が再婚した母親と、再婚後に生まれた弟と妹を、殺害したとして逮捕されている。
それにしても、この北海道の事件は、「離婚」問題が大きな原因のように思われる。共に両親に離婚された少年二人が、「親殺し」に走った事実は重い。大人の世界では、親の都合で「離婚」することもあろうが、子供たちに罪は無い。しかし、子供たちには、深い、大きな空洞が、その胸の中に、ぽっかり穴を開けていたのである。何もかも否定したくなるような、自暴自棄的な気持ちが、その空洞に入り込んで来たとしても、無理は無いように思われる。
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