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住宅火災と電線とネズミ

2009年06月16日 | 住宅関係
  時々、火災による悲惨な報道が流れる。 住宅と付帯設備が燃えるのは、過失によるものなら有る程度は仕方のない事である。 それをよく考えれば人生のリセットと考え、改めて生活を立て直す事ができる。 しかし、それらは時として人命を奪うので油断できないし、被害者は子供と年配の人が多いので悲惨さは倍加する。 それを防ぐ為に打つ手が有ったら、前もって手を打っておいたほうが良い。

住宅火災のデータをネットで調べれば、概ね火災全体の電気関係の原因が10%、原因不明が10%となる。 住宅に携わるものとして意見を述べさせてもらえば、原因不明も大部分が電気関係だろうと思う。
 http://www.fdma.go.jp/html/data/h15_12.html#3

 仕事柄、他人の家の天井裏を這いつくばってお邪魔する事が多いのだが、天井裏にネズミが居ると仰る家の殆どが、電線の被覆をかじられている。 現在の分電盤(電力ブレーカの付いている)には、漏電ブレーカと言うものが、必要な事になっているので、その分電盤以降は、ほぼ漏電に対しては安全であろう。  
ほぼと言うのは、その漏電ブレーカも10年くらいで働きが鈍くなるものがあるからである。

しかし、電気屋として肝を冷やすのは分電盤の前の電気配線(8M以内)の被覆が“ネズミ”にかじられ、きらきらと光っているときである。 実は、この分電盤と積算電力計の間には、保護装置が働いていないのである。 私がその状況を発見した場合には、電力計のすぐ後に漏電、過電流制限のブレーカを勧め付けていることが多い。

 それから、‘08年の建築基準が変わって、火災報知機が義務付けとなった。 この間の法改正はいたく不完全で、官製不況、官製不況と言われたが、この火災報知機も中途半端な義務付けとなった。
仮に、考えてもらいたい。 今ここに、寝たきりのおばあちゃんの寝室が有るとする。 許可された火災報知機がつけられている。 火事になった。 おばあちゃんの頭の上で、『火事です! 火事です !』と叫んでも一人では逃げられない。 火災報知機は、一軒の家では報知器全部に連動を義務付けるべきであったのだろうと思う。

一人暮らしの場合には、どちらにしても余り変わりは無いだろうが・…。


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