鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

2008年 夏の北海道西海岸・取材旅行 「北海道開拓の村 その1」

2008-09-10 05:56:39 | Weblog
 「北海道開拓の村」に到着したのは11:50。札幌は訪れたことがありますが(1回)、ここは初めて。明治・大正時代を中心に、北海道の歴史的建造物を集めた広大な施設(野外博物館)です。野幌森林公園内の一角であるということは、野幌森林公園はさらに広大な敷地を有していることになります。いろいろな散策コースがあるようです。

 村内は、「市街地群」「漁村群」「農村群」「山村群」の四つのゾーンに分かれています。ゆっくり見て回れば丸1日。すばやく見て回っても最低2、3時間はかかるとのこと。コースが設定されていて、それぞれのだいたいの所要時間が、パンフレットに記されています。

 「旧札幌停車場」(明治41年)のミュージアムショップで、『新版北海道の歴史 下 近代現代編』(北海道新聞社)、『小樽 街並今昔』(同)、『札幌 街並み今昔』(同)の3冊をチェック。

 パンフレットの「北海道開拓の村 案内図」を見ても、施設は期待していた以上に充実しています。こパンフレットを見て、札幌市内の見学予定については割愛することにしました。午後3時頃まで見学し、それから今夜の宿泊地である留萌(るもい)に直接向かうことにしました。

 まず市街地群の手前半分を見てから、「開拓の村食堂」で昼食。「屯田兵定食」(1000円)を食べてみました。意外と美味。

 それから山村群を見て回り、農村群へ。農村群から漁村群を見て回り、そこから馬車鉄道に乗っていったん「旧浦河支庁庁舎」(大正8年)前の馬車鉄道のりばに戻り、そこから鉄道沿いに歩いて、まだ見ていない市街地群の残り半分を見て回りました。

 ほぼほとんどの建物を、パンフレットにチェックを入れながら見て回りましたが、時間的な制限があるので、それぞれの建物でいつものようなメモはほとんどせずに、デジカメでガイドパネルや説明文、建物の外観や中のようすを記録しました。

 これらの歴史的建造物群の中で、明治24年前後に存在したものは、意外と少ない。

 「旧開拓使札幌本庁舎」が明治6年。「旧手宮駅長官舎」!が明治17年。「旧開拓使爾志通洋造家〔白官舎〕」が明治11年。「旧開拓使工業局庁舎」が明治10年。「旧龍雲寺」(明治26年)、「旧武井商店酒造部」(明治19年頃)、「旧若狭家たたみ倉」(江戸時代末期)、「旧山田家養蚕板倉」(明治14年)、「旧岩間家農家住宅」(明治15年)といったところ。

 しかし、だいたいの当時の家々のようすは想像することができました。

 よくぞ、これだけの歴史的建築を移築・復元したものです。

 それぞれの建物の内部には、解説文や写真や年表、間取りなどがわかる資料などがあり、とくに私にとっては、展示されてる古写真がとても役立ちました。これらの写真から、当時のようすをうかがうことが出来るからです。

 50以上ある建物の中でとくに印象に残ったのは、「旧手宮駅長官舎」・「旧有島家住宅」(有島武雄らの生まれたところ)・「旧北海中学校」・「旧来正旅館」・「「旧広瀬写真館」・「旧青山家漁家住宅」・「旧納内屯田兵屋」・「開拓小屋」・「旧平造材部飯場」でした。


 続く

○参考文献
・『中江兆民評伝』松永昌三(岩波書店)
・パンフレット
  「野外博物館 北海道開拓の村」
  「モデル見学順路コース」


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