鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

北前船を追う-松前と江差 その10

2017-06-09 07:28:41 | Weblog

 

 道の駅から道道425号を西へと進み函館バスの「唐津」バス停を過ぎたのが9:36。

 通りの両側の家々は、「城下通り」の和風の建物で統一された景観とは異なり、ごく普通の海辺の町の景観の中にあります。

 新建材やコンクリートの建物に混じって、板壁・ガラス窓・二階建て(あるいは一階建て)の木造家屋がところどころに見られます。かつてはこのような板壁(板張り)の人家が道の両側にずらりと並んでいたのでしょう。商店が多く、このあたりも「城下通り」とつながっている商店街の一部であるようです。

 「唐津内川」を「唐津内橋」で渡り「博多中央」バス停を過ぎたのが9:43。

 「唐津」と言い「博多」と言い、九州地方の地名が付いているのが興味深い。

 右手に「熊野神社」の石鳥居(一の鳥居)が現れたのが9:47。

 「熊野神社」と刻まれた石標の隣には「文政十一戊子歳 願主 三上佯七 同 船頭中」と刻まれた石柱が立っています。

 桜の花びらが散り敷いた石段を上がると「熊野神社由緒」が刻まれた石碑があり、かつては「熊野権現堂」と呼ばれていたことがわかりました。

 二の鳥居には「慶應四辰年」「正月吉祥日」と刻まれています。

 石段下には通りと人家越しに日本海が見えました。

 通りに戻り、松前コミュニティバスの「漁民センター前」を過ぎたのが10:01。

 その横手の岸壁から、船が引き揚げられて並んでいる浜からせり上がっている弁天島が見え、その頂きに白い灯台とその付帯設備のような建物があるのが見えました。

 その間に海がありますが、右手奥からその弁天島に渡れるようであり、岸壁に沿ってぐるりと大回りをして弁天島の下の大きな岩が露出しているところに至ったのが10:13。

 そこから海側を回っていくと漁船の修理場があって、働いている人に「あの弁天島に登れますか」と聞くと、「登れるよ。右手奥に登り口があるから」ということで船の下を潜って右手奥へと進むと、赤い鳥居と神社が登り口にありました。

 これが「松前屏風」の弁天島の平地に描かれていた鳥居と神社であると思われました。現在は島の上ではなくここに移されているのです。もちろん描かれた神社や赤鳥居そのものではなく、かなり新しいものであるようです。

 そこから草むらの中を壊れかかった石段が上へと続いていました。

 登りきると廃墟となった平屋のコンクリートの建物と灯台があり、そこから東方向を眺めると海岸に沿った松前の市街地の全体を望むことができました。

 ここから見ると松前の海岸が大きな湾のようになっていることがよくわかります。

 手前には埠頭があって、この内側が松前港になっている様子。

 弁天島は西側の埠頭によって陸地とつながっており、現在の松前港は弁天島の西側を含んだ人工的な港として機能しています。

 といったことを確認して石段を下り、高台の上を回って道を進み、花壇に囲まれた中に「北海道最南端の町 松前駅」の石碑があるところに出たのが10:57。

 これはあとでわかったことですが、国鉄およびJR松前線の終着駅である「松前駅」の駅舎があったところでした。

 そこから「念仏発祥の道場 真宗大谷派西立山専念寺」の山門前に出たのが11:02。

 境内に入ると「国鉄松前線敷設工事 殉難者 慰霊碑」があり、その碑文に目を通してみると、第二次世界大戦に地域沿線の軍需物資運搬などを目的として行われた国鉄松前線敷設工事のために強制連行されて来た朝鮮人や中国人、日本人若干名を含む殉難者の慰霊碑であることがわかりました。

 国鉄松前線敷設のために強制連行され、過酷な労働と飢餓状態の中で死んでいった多くの朝鮮人や中国人、日本人がいたことを知りました。

 その慰霊碑の近くには、「地図の上 朝鮮国にくろぐろと 黒土をぬりつゝ 秋風を聴く 啄木」と刻まれた石碑もありました。

 「啄木」はもちろん石川啄木のこと。

 専念寺を出て、「松前小学校」を右手に見て道を進み、「観桜(かんおう)橋」を渡って「松前藩屋敷」という観光施設に着いたのが11:18。

 ここは、江戸時代に北前船交易で栄えた城下の町並みを再現したテーマパーク。

 さっそく中へと入ってみることにしました。

 

 続く

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