鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

甲州街道を歩く-高尾から小仏まで その2

2017-04-12 05:46:22 | Weblog
道行(みちゆき)の基本史料となる歌川広重の『甲州日記』が載っているのは、山梨県立博物館が発行した『歌川広重の甲州日記と甲府道祖神祭 調査研究報告書』。山梨県立博物館で見掛けて購入しました。樋口一葉の関係で塩山周辺を歩いた時だから、もう7年ほども前のことになります。その表紙に掲載されている絵は『旅中 心おほへ』より「甲州御嶽道 外道ノ原 其二」。右手前の山の向こうには白雪をかぶった富士山が顔を出し、中央やや左手にはやはり円錐形の独立峰が愛らしくそびえています。その山と右手前の山の間には峠道のようなものが「く」の字に屈曲し、よく見ると馬に荷を載せた商人らしき一行が坂道を上がっています。これはやや誇張と簡略化があるにしても真景図(しんけいず)と言っていい。この表紙以外にも多数の広重の「心覚え」としてのスケッチがこの本には掲載されていますが、それらはやはり優れた画力を持った絵師のスケッチ(真景図)として見応えのあるものです。 . . . 本文を読む