鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

2012.2月取材旅行「戸田~大宮~上尾」 その5

2012-02-25 07:12:57 | Weblog
村尾嘉陵は、夜明け直前の浦和宿のようすを次のように描写しています。「こゝかしこ燈点(とも)して、門あけはなちて、朝たつ人のとりどりに荷つくり、馬よそふあり、旅亭のさまいとめずらし、宿をゆきはつれば、夜すでに明、道のべの草に霜いとしろく置たり」。まだほの暗いので、街道のあちこちに灯火が点り、旅籠の入口が開け放たれて、早朝に出立する人々が荷造りをしたり、馬の出発の準備をしたりする姿が見られたりと、夜明け前の活気を呈してきた宿場のようすが、嘉陵にはめずらしかったようだ。帰りには浦和宿の街道西側に寺が二つあったことを記しています。「覚心院」と「玉蔵院」としていますが、「覚心院」というのはおそらく「廓信寺」のことであると思われます。 . . . 本文を読む