鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

ジョルジュ・ビゴーという人 その3

2010-05-02 07:49:44 | Weblog
ビゴーは日本のたとえばどういうところを訪れたのか。「年譜」からそれを探ってみると、横浜・東京・新吉原・東京七公園(星ヶ岡・芝円山・忍ヶ岡・飛鳥山・富ヶ岡・浅草・愛宕山)・日光・長崎・箱根・修善寺・熱海・磐梯山・向島洲崎・濃尾大地震被害地・京都・神戸・広島・稲毛海岸などを挙げることができます。移動手段としては、徒歩はもちろんのこととして人力車や馬車、また長距離の場合は鉄道であったでしょう。東海道線が全通したのは明治22年(1889年)7月1日のこと。ビゴーが濃尾地方や京阪神、さらに広島などへ赴いた時には、もっぱらこの東海道線を利用したものと思われます。たえずスケッチブックを携帯していたビゴーは、この全通して間もない頃の東海道線の車内風景や駅の光景を丹念にスケッチしており、その頃の鉄道風俗を知る上での貴重な絵画資料となっています。 . . . 本文を読む