蛇口が取れた

4年半の杭州生活を終え、ついに帰国。現在、中国人化後遺症に悩まされ、好評リハビリ中。

誰もが一度は通る道-中国人監督編-

2006-11-05 01:41:48 | テレビ・映画
なんだかちょっと名前が売れると、ついやりたくなっちゃうみたい。
流行病ってやつかいね。
馮小剛監督『夜宴』(The Banquet)のことなんだけどさ。

時は唐滅亡後の五代十国期。
呉越国の宮廷が舞台。
皇帝がその弟(葛優)に毒殺され、弟が帝位を奪った。
ついでに先帝の皇后(チャン・ツイィー)を自分の皇后にしてしまう。
さらには先帝の息子(皇太子;呉彦祖)を殺害しようとする。
一方、皇太子は父の仇を討とうとする。
皇太子には婚約者がいて、彼女(周迅)は彼女で皇太子のことを想って・・・

そう、ハムレット。
まったくもって、ハムレット。
尼寺には行かないが、ハムレット。

なんだけど、ちっとも深みがないの。
「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」
なんて悩んでいるそぶりもないの。
話は薄っぺらいまんま進行するの。
思わせぶりのラストも「だから?」って感じ。

監督さんさあ、『手機』(携帯電話っていう意味)はよかったよ。
あの葛優もよかった(『活きる』でコン・リーの夫役のつるっぱげの人)。

なんだけどねえ。
結局、流行病にかかっちゃったのね。

何がって?
あれだよ、あれ。
ついつい、きれいな映像を取りたくなっちゃうあれ。
チェン・カイコーもチャン・イーモーもやっちゃったでしょ。
ストーリーよりも映像重視みたいなやつ。
でもって、結局は「ふ~ん」って感じになっちゃうやつ。

次は誰に感染するのか?

*写真は周迅版のポスター。