蛇口が取れた

4年半の杭州生活を終え、ついに帰国。現在、中国人化後遺症に悩まされ、好評リハビリ中。

Let's get truth

2006-02-25 16:41:10 | 杭州・杭州周辺
ゴミのような段ボール そこで眠る老婆
醒めた夢の残骸 明日は我が身
だけど 素通りする 素通りする 素通りしたりする
(Mr.Children “Let's get truth”より)

これがまぎれもないこの国の現実。

ご存じの通り、この国は社会主義の国。
人々は、富も身分も全て平等の社会。
しかし、ここ数年の急速な経済発展により、そういった目標は崩壊しているかのようにみえる。

街には、多くの高級外車が走り、高級ブランド品をもった人達が歩く。
高級料理に舌鼓を打ち、携帯電話でせわしなく連絡を取り合う。
誰もが、どこそこに家を買った、新しい車を買ったと自慢しあい、
顔を合わせるとお金の話をし始める。

皆、経済発展という名のバスから振り落とされないよう必死にしがみついているかのようだ。
右も左もない。
見ているのは前だけ。
後ろを振り返る余裕は、当然ない。
自分のことだけで精一杯。
脱落するものは、見捨てるのみ。

街には、物乞いがいる。
汚れきったぼろぼろの服を着て、地べたに頭をこすりつけている。
子供を抱いた物乞いもいる。
へたくそな二胡を引く、足のない男もいる。

彼らは街の風景と同化している。
道路に置いてあるごみと同じように。
気を付けないと、物乞いに蹴躓いてしまう。
人々は、巧みに避けながら歩く。
携帯電話を掛けながら。
高級ブランドを身に付けながら。
スーパーの袋にいっぱいの食べ物をもちながら。

私は今日も彼らの横を通り抜けている。
食べ物いっぱいの袋をもちながら。