35歳からのアメリカ行政学・公共経営PhD挑戦

ノンキャリ国家公務員を辞め、アメリカ行政学・公共経営のPhDに挑戦するオッサンのブログ(毎週1回更新...たぶん)

熱狂のあと

2014-05-25 12:37:37 | PhD生活
 90年代アメリカでニルヴァーナとともに、グランジ・ロックの流行を作り出したパール・ジャムというバンドがあります。当時のアルバムセールス記録を打ち立てるなどジェネレーションX(1960-80年生まれ世代のこと)の代表とまで言われた人達ですが、90年代後半には従来とは異なるスタイルの音楽を追求した結果、人気は明らかに衰えていきました。
 パール・ジャムと対照的なのが、人気絶頂期に拳銃で自らの命を絶ったニルヴァーナのカート・コヴァーンです。死を選んだことにより、彼は90年代ロック・シーンの伝説となり、現在でも未公開の古い音源が発表されるたびに、全米チャート上位のセールスを記録するほどです。
 先日パール・ジャムのバンド結成~人気絶頂~現在を記録したドキュメンタリー「Pearl Jam 20」を観る機会がありました。最も印象的だったのが、彼らが3枚のメガヒット・アルバムを出した後、従来の激しいロックとは異なる様々な音楽を模索する過程を、長く音楽を続けていくうえで必要だったと語っていたことです。
 彼らは20代を過ぎ30代になると、シンボルマークでもあったライブ中にギターを壊したり、観客にダイブしたりする行動ができなくなっていったと話しています。つまり、熱狂的に音楽に没頭していった頃から、年齢を重ね客観的に自分を見るようになり、ファンやマスコミが求めるロック・スターとしてのクレイジーなイメージと葛藤するようになったようです。現在彼らはかつてのように数千万枚というセールスはないものの、ボサノバ風な曲を含め音楽の幅を広げつつ地道に活動を続け、非常に強固なファン層を持ち、息の長いロックバンドとして再評価されつつあります。これはロックの狂気の中で伝説となったカート・コヴァーンとは、対照的なストーリーです。
 自分は先日通常2年半~3年かかる博士課程の単位を2年で取り終え、オールAという最高の結果を残すことができました。元来詰めが甘く勉強熱心でない自分が、このような結果を残せたのは、5度のPhD受験失敗の末に掴んだ研究者の道に対する熱狂的な思いがあったからだと考えます。今後数十年研究者として活躍していくために、熱狂が冷めたあと、いかに研究と向き合っていくかが重要だと、パール・ジャムが教えてくれているように思いました。


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2 コメント

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Unknown (くり)
2014-05-30 01:27:23
はじめまして。

ブログ大変参考になります。
私も公共政策に興味があり、海外の大学院留学を考えています。

当初はアメリカの大学院を志望していましたが、費用面やGRE受験が必須という事を受け、一年間でおわるイギリスの大学院留学を考えています。

将来国際機関へ勤めたいと思いますが、その場合ニューヨークなどにあるアメリカの大学院を出た方が有利なのか、イギリスの大学院からでも可能なのかお分かり頂ける範囲でアドバイスいただけたら幸いです。
よろしくお願いします。
Unknown (ブログ主)
2014-05-30 08:47:36
まず、国際機関(WB,WHO,ILO,UNICEF,UNDPなど)は多種多様で、くりさんがどのような職種で国際機関で働きたいかによって具体的なアドバイスは変わってきます。

そのうえで、頂いたコメントを読んだ限りの大まかなアドバイスとしては、費用が高い or GREが大変だという基準で留学先を選択するのは賢明ではないということです。500万円の高級外車を購入したつもりで費用を捻出し、GREで高得点を目指し、くりさんが選択しうる最高レベルの大学院に留学すべきと考えます。
私はマクスウェル行政大学院(公共関連全米No.1)修了後国際開発関連の仕事を探し、結果として国際機関のオファーは頂けず、大使館勤務となりました。しかしながら、経済協力調整員として2年間ウガンダで大使館勤務した後は、国連機関からオファーを頂くことができました(結局PhDに行きましたが...)。
 修士取得後に国際機関の正規職員になることはまず不可能です。多くの人が国際機関勤務を夢見るため、競争は非常に激しいです。人並み以上のお金+努力をかけ、そして途上国でキャリアを積んで初めて実現できる夢だと思います。大変だと思いますが、とてもやりがいのある仕事なので、是非頑張ってください!

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