「オヌシできるな！」

時代劇で剣客が剣を交えることなく相手の力量を感じる場面を思い出すのでゴザル。

剣を抜き構える相手を観て「ムムッ!オヌシ出来るな!」

そして敵も「フフッ！オヌシもな!」

と、共に相手の力量を察知して戦わずしてお互い去ってゆく。

当時チビッ子だった拙者はＴＶ時代劇にてこんなシーンに『カッコイイ!』と感動したのでゴザル。

大人になったら剣客のような『強くカッコイイ男に成りたい！』と思ったものでゴザル。

少年時代、多少の習い事に没頭し「オヌシできるな！」が判る男を目指しました。

しかし、いつになっても”憧れた剣客”に近付く事はできませんでした。

長い時が過ぎ父親に成った頃、出会ったフルコンタクト空手で組手を体験。

胸を借りた御仁は50過ぎの小さなオジサン。

相手の力量を感じる事の出来ない拙者は『秒殺してやる!』とばかり、我武者羅に攻撃致した。

秒殺されたのは拙者でゴザッタ。

悔しさがこみあげ、立ち上がった拙者を観て、おじさん一言。「怖い目つきに変わりましたね～!」

その時、オジサンの表情は穏やかで落ち着いていました。

その眼差しは優しいけれど”強い自信”を感じたのでゴザル。

『怖い!!』『強い!大きい!』『この人は剣客だ!!』と、拙者の心は折れたのでゴザッタ。

「オヌシできるな！」を求めて新たな空手に出会ったのでゴザル。

週一の稽古で、10人とスパーリングしたとして1年で約500人。20年で10,000人（指導の立場に成ってからはスパーはサボってますけど）

考えてみれば凄い人数と相対したものでゴザル。

今、向かい合う相手の強さを感じることが（少し）出来るように成ったかも知れない？

息子の観る格闘アニメで表現される”オーラ”の様なもの。仏像の光背とでも例えましょうか。

向かう相手が強いとそのようなものを感じたり致しまする。

昨日の稽古。久しぶりにスパーに参戦。

近頃強さを増してきたＴＫＭは。『コイツ！何かを狙っている!!』そんな“オーラ”を放ってオリました。

間合いを詰めると“ピリピリ”と緊張感が走る。

「ムムッ！オヌシできるな！」と、

むかし観た時代劇のワンシーンを想いだす。

つかの間。。。「今の拙者はあの剣客の様だ！」などと、想いを馳せた。

『ドッカ～ン!?』と強い衝撃が・・・

ＴＫＭのゲンコツ爆弾をオイシク頂いた拙者でゴザッタ。

やはり”憧れの剣客”には程遠い事を思い知った今日この頃でゴザル。

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