岸本周平 Blog

和歌山 民主党 衆議院議員
岸本周平 汗と涙の日々!

外務省のラスプーチン佐藤優氏絶賛!

2007年05月18日 10時10分44秒 | Weblog
 一ヶ月ぶりに上京しましたので、2冊本が読めました。本屋で、「佐藤優氏絶賛!」という帯にひかれて魚住昭著「官僚とメディア」(角川oneテーマ21新書)を買いました。

 私自身、霞ヶ関にいて、報道と現実の大きな違いを目のあたりにすることが多かったので、新聞やテレビの報道はまず信用しないクセがついています。しかし、2年近い浪人生活で、情報源もかたよるようになりました。この本で書いている「耐震偽装問題」では、木村建設やヒューザーが被害者であったという事実は判りませんでした。いかにも悪いことをしそうな雰囲気もあり、マスコミの手に乗ってしまいました。詳しくはこの本を読んでください。

 もう一冊は山田昌弘教授の「少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ」(岩波新書)です。少子化の原因として、結婚したくてもできない若者対策がないからだというショッキングな分析がされています。未婚の女性は相手に高い年収を求めるが、アルバイトやフリーターでは難しい。しかも、男女とも親との同居が許される日本では、生活水準を下げてまで結婚するインセンティヴが生じないのです。所得の低い層ほど、未婚率が高いという統計を政府がこれまでタブー視してきたため、問題の解決に取り組まなかったというのです。

 イギリスをはじめ欧米では、所得の低いカップルでも子育てができるような政策が取られているので、そのような政策が必要だとの指摘です。ただし、欧米では成人した子供が親と同居することが許されない文化なので、結婚した方が便利もしくは生活水準が上がるという面があり、単純に日本と比較できないそうです。

 私にとっては、山田教授の以前からのこのような指摘は、目からウロコの驚きでしたので、読み易い新書版を紹介させてもらいました。つくづく考えさせられます。昨日ブログに書いた「医師不足」の問題もそうなのですが、霞ヶ関のお役人さんは都合の悪い現実は「見ないふり」をしてすませる傾向があります。そして、マスコミまでもが、迎合して「大本営発表」をするとしたら、ほんとうに怖い国に住んでいることになりますね。政権交代で、この悪循環を断ち切らなければと意を強くしたしだいです。