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四天王御江戸鏑@国立劇場

2011-01-28 | 歌舞伎
「してんのうおえどのかぶらや」と読みます。

菊五郎劇団による新年恒例の復活通し狂言。
今回は、何と196年ぶり! だそうです。

ですが、全くの新作という感じではなく、歌舞伎でおなじみの
さまざまなエピソード満載の分かりやすい仕上がりになっています。

この公演は毎年、趣向が凝っているため、早々に内容をブログでアップすると、
ネタばれを嫌がる歌舞伎ファンもいらっしゃるので、本日千秋楽を迎え、感想を記します。

まぁぁ、何と言っても菊之助の美しさといったら!
驚異的です。

芝居の中で、女郎花咲に扮する菊ちゃんを、「ゾッとするような美しさ」
と評するセリフがあります。

菊ちゃん、一皮むけた感あり。
お姫様的な綺麗さではなく、それぞれの役になり切った惚れ惚れする端麗さでした。

今回は土蜘蛛の精として、宙乗りも勤めましたが、こんな綺麗な宙乗り、見たことない!
上空からパーッと蜘蛛の糸を振りまきながら、美しい姿のまま静々と空を行く感覚でした。

ストーリーは、よくある御家の重宝をめぐっての駆け引きです。

茨木婆と源頼光の二役をこなす時蔵さんが秀逸。

強欲なババァ役のときは、腰を曲げ白髪頭を振り乱しながら卑しく振る舞うのですが、
頼光になると一転、気高く典雅な貴公子となり、その変身ぶりが素晴らしかったです。

近年の時蔵さんの役としては、最高ではないでしょうか。
主役の菊五郎父子を喰ってましたねぇ。

もともと時蔵には、高貴さと、そこはかとなく漂うユーモアという
アンビバレンツ(二律背反)な魅力があると感じてきましたが、この役ではパワーさく裂でした。

松緑も姿かたちがいいですねぇ。
歌舞伎を見ている幸せを感じさせてくれます。

毎度おなじみコントは、今年は
AKB48と戦場カメラマン・渡辺氏でした。

子役が舞台上で「会いたかった、会いたかった、会いたかった、イェイ!」
と踊りまくるのですから、もしこれが歌舞伎デビューの方なら面食らうことでしょう。

そう、意外にさばけてるんです。歌舞伎って。
お江戸の昔もこうして、流行を交えながら上演していたのでしょう。
だって、庶民のための娯楽ですもの♪

「お土砂(おどしゃ)」も登場!
お土砂を体にかけられると、全身がフニャフニャになるというもので、
他の芝居で使われるギャグです。

花道をカメラのファインダーをのぞき込みながら「渡辺氏」に扮した役者が
出てくると、劇場の案内係のお姉さん(もちろんプロの女優さん)が、
「お客様、困ります! 花道をお歩きになっては困ります」
と必死で後を追ってきます。

これを大阪松竹座で初めて見たときは、私、ウブだったので、
本当にお客さんの男性が花道に上がり込んだのかとドキッとしたものです。

特にそのときは、舞台上の役者の本名を呼びながら、スーツ姿の普通の男性が
上がっていったので、リアルでした。
今思えば、それは團蔵さんだったんですけどね。

お土砂をかけられ、皆、グニャグニャになり、舞台の裏方さん(幕を引く人とか)も
菊五郎にパラパラッとやられて、グニャリ。

どういう仕掛けなのか、家の柱まで曲がったのには、会場からどよめきが。

ついでに客席にもパラパラ。
これが関西なら、間違いなく客席もグニャッと受けて、菊五郎が喜んだでしょうに。
東京だと、そうはならないのよねぇ。

新年にふさわしい華やかで楽しく、観る者の期待を裏切らない芝居でした。

菊五郎劇団の皆さま、毎年、お疲れ様です!
最高でしたよ~♪
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