ちょっとマンネリですが・・・

ダラダラ過ごしている毎日のことあれこれ・・・・

業界には「困ったときの梶頼み」という言葉がある。

2009年09月27日 | Weblog
「英雄の死」山口瞳著より。

もうこの言葉は過去のことなので、正確には「・・・という言葉があった」となるだろう。梶とは梶山季之のことで、筆者の山口氏もすでに過去の人となってしまった。この一冊を読んで二人の作家は実に長年にわたって仲が良かったことがわかる。山口氏は親友というよりもむしろ心友だと呼んでいた。

梶山季之が亡くなったのはもう30年以上前のことで、私が氏の企業スパイ小説を読んだのはもう30年ほど前になる。亡くなった時は45歳だったから、まだかなり若かったことにも気づかされる。当時はすごい流行作家で売れまくっていた印象がある。(現在40代以下の人たちには山口瞳も梶山季之も馴染みがないだろうが。)

ある雑誌の柱になる人気作家が急病で二百五十枚ぐらいの穴があきそうになったときがあるらしい。すると困った編集者は梶山氏のところに執筆依頼に行ったのだ。そんなときわずか2、3日で二百五十枚の小説を書いてしまうのが梶山李之だった。

急場を救えるのはすごいことだ。文章は当然ながら粗雑だったらしいが、内容は面白かったという。そして評判になって雑誌は売り切れてしまったようだ。それだけのエネルギーをもった作家だったということだろう。今でもそんな作家はいるのだろうか。

参考までに、ウィキペディアには、“十数年の作家活動であったが作品数は多く、死後も人気は衰えずに12年後までに120冊の文庫が出版され、1300万部の売り上げをあげた。サービス精神の旺盛な作家という評に加え、編集者や周囲の人々への気配りについてもしばしば語られている。”ともあった。

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