「名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方」鈴木康之著より。
一般の人の生活ではコピーは読むもので作る必要はまったくない。しかし、何か書く必要があるなら、やはり読んでもらって心地いいものにしたいものだ。わかりにく文章に出くわすとともしばしばある。
すでに書かれたすぐれたコピーはある意味それだけで作品のようにも思えてくる。ここに日本たばこ産業のコピーがあった。タバコを吸う人たちに向けてマナーを促すコピーだ。
「犬と散歩すると、いつもより吸いがらが目につく」「700度の火を持って私は人とすれ違っている」「たばこを持つ手は、子どもの顔の高さだった」・・・作者は岡本欣也さんというコピーライターだった。
やはりプロはありふれた日常をしっかりした視点で見つめて、短くても納得できる作品に仕上げている。マナーを呼びかけるものとして、これらが長くだらだらと説明朝に書かれていたら、恐らく読む気にもならない。短いからこそしっかり伝わるかも。