『グッとくる「はげまし」言葉』齋藤孝著より。
松下幸之助はよくこう言っていたそうだ。やはり裸一貫から世界的な企業をつくりあげた人の言葉は分かりやすい。また“本当の知恵はその汗の中から生まれてくるもの”ということも言っている。
どちらも似たようなことを意味しているのだろう。「頭でわかる」ということは、ものごとを知り理解して知識を得ることとも考えられ、「腹でわかる」とは考え、発想する知恵の部分ではないだろうか。
昔よく言われた言葉に「畳の上の水練」というがある。また水泳の達人の先生の講義をいくら受けても本当に泳げるようにはならない。運動も仕事も体で覚えるしかないのだろう。
まず体で覚えて、つまり汗を流して知恵はついてくるということを松下幸之助は自身の苦労の経験から伝えている。単に出来上がった数字データを見ただけでは、本当のところは見えてこないもの。やはり現場に出て体で実感し知恵を働かせよ、ということだろうな。