ちょっとマンネリですが・・・

ダラダラ過ごしている毎日のことあれこれ・・・・

スポーツ選手は、だれも彼も、言い合わせたように『頑張ります』とだけしか口にしない。

2010年04月13日 | Weblog
「動詞の考察」佐野洋著より。

これは「張る」という題名で書かれていた短編小説の中のワンフレーズだった。つまり「張る」ということにこだわってストーリーを展開していたのだ。

物語の前に「はる」の意味が広辞苑より抜粋されていた。その一部を書いてみると次のようになる。“いっぱいに押しひろがるの意。芽がふくらむ。ふくれる。はちきれそうになる。一端から他端へたるみなく延べ渡される。筋肉がこわばる。”

佐野さんはこんな意味からいろいろと想像をめぐらして、ストーリーを考えたようだ。そして、冒頭の部分では、テレビのなかでアナウンサーが勝利投手にインタビューをしていた。上記フレーズは、その中で「頑張ります」という言葉を耳にして主人公がつぶやいた言葉だった。

もちろん「頑張る」のはスポーツ選手だけでなく誰でもが日常無意識のうちに使っている。主人公の通う予備校では「さようなら」の代わりに「じゃあ、頑張って」と言い合うほどだった。

また、“「頑張る」は当て字。「我に張る」の転、ともあった。1、我を張り通す。2、どこまでも忍耐して努力する。3、ある場所を占めて動かない。『広辞苑』より、”などという説明もされていた。

2ページ目には“『あんまり、見栄を張らない方がいいわよ』という、あの女の声が、また蘇って来た。”というセンテンスがあったが、気がつけば、ここでも「張る」が使われていた・・・