ちょっとマンネリですが・・・

ダラダラ過ごしている毎日のことあれこれ・・・・

作家の証明となるような作品・・・

2008年05月04日 | Weblog
「森村誠一文芸展」会場でのビデオより。

先日、町田の小田急百貨店で「森村誠一文芸展」を見てきた。会場は思ったより広くはなかったが、氏の生の原稿などがあって興味深かった。これは町田市の市制50周年記念事業として開催されたものだった。創作ノートや執筆に使用していたガラスペンなどの展示もあった。

会場入り口には自身が語るビデオ「作家人生と写真俳句」が放映されていた。その中で語られていたワンフレーズが上記のものだった。氏は昭和44年に江戸川乱歩賞を受賞したもののその後数年は知名度も低く売れなかったという。会場に展示されていたシャーロックホームズのブロンズ像は実に重みが感じられた。

そのうち角川春樹氏より新しい雑誌を創刊するので、その時に言われたことが「作家の証明となる作品を書いてほしい」ということだったと振り返っている。しかも森村氏はその言葉を気に入って即座に了承したという。そしてすぐに『青春の証明』というタイトルを思いつき書こうと試みている。

ところが返事はしたものの、1か月たっても書き始められなかったという。ついには締め切りまで30日と迫ってきてしまい、思いついたのが西条八十の詩だったようだ。そこから親子の情を絡めて『人間の証明』を書き始めている。その期間で400字詰め原稿用紙700枚を書きあげたという。

その作品は映画化されその宣伝効果もあり、森村氏の知名度はその後一気に上がったようだ。人気が出てからは何年も続けて長者番付にも登場していた。(私はそれ以前からいくつかの推理作品は読んでファンになっていた。)やはり角川春樹氏との出会いとアドバイスは大きなターニングポイントだったようだ。