ちょっとマンネリですが・・・

ダラダラ過ごしている毎日のことあれこれ・・・・

美術品輸送、保管の仕事で大切なことはひとつ。

2007年10月06日 | Weblog
「エッシャーに魅せられた男たち」野地秩嘉著より。

この本を読み進むうちに、またまたエッシャー本人やその作品ではなく別のことについてちょっと気になってしまった。それが上記のフレーズの部分だった。さて、そのひとつとは、なんと秘密を守るということだった。

もちろん運ぶ美術品とは世界中の美術館の所蔵品など貴重なもののことだ。毎日世界各国では有名な作品の展覧会が開催されている。しかし、輸送となると何月何日に運ぶか、どの飛行機に積み込むかなどは、関係者のうちごく少数の人間しか知りえないようになっているらしい。

高額な保険をかけ、24時間ガードマンが張り付いていることだろう。輸送トラックも特別仕様で情報は大勢には知らせないという。特別に作ったトラックの上部にだけマークをつけ、空からヘリコプターで追尾できるようになっている。

さらに美術品の梱包も重要なものだった。版画や写真は温度や湿度で傷みが出やすいという。美術品は厳重に包まねばならないが、開梱するときに時間がかかってもいけないのだ。

年代を経た美術品は生鮮食品のように傷みやすいらしい。理想的には世界のどこへ運ぶにも、梱包から輸送、開梱までが24時間以内がいいらしい。

私たちは美術館やデパートで貴重な美術作品をいとも簡単に眺めているものだが、それまでにはいろいろな苦労が込められていることにも気付かされる。