在日外国人のための法律 1日1条

留学・ビジネス・結婚・永住・帰化、日本で生活していく上で必要になる法律を1日1条づつ分かりやすく解説していく法律講座です

入管法第74条の7(罰則-国外犯)

2005年01月22日 | 入管法
第74条の7  第73条の2第1項第2号及び第3号、第74条の2(本邦内における輸送に係る部分を除く。)、第74条の3並びに前条の罪は、刑法第2条 の例に従う

「刑法第2条の例に従う」というのは、違反者が国外にいる場合も日本法を適用し、罰則の対象にするということです。

この対象になるのは、下記の通りです。
「第73条の2第1項第2号及び第3号」
…「外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者」
…「業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあつせんした者」

「第74条の2」
…「自己の支配又は管理の下にある集団密航者を本邦に向けて輸送し」た者

「第74条の3」
…「船舶等を準備した者」

「第74条の6」
…「不法入国の幇助」

第74条の6(罰則-不法入国の営利目的での幇助)

2005年01月21日 | 入管法
「第70条第1項第1号又は第2号」すなわち不法入国の手助けを営利目的でした場合に罰則があります。
偽造した旅券・乗員手帳を提供した者も同様です。

第74条の6  営利の目的で第70条第1項第1号又は第2号に規定する行為の実行を容易にした者は、3年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。所持人について効力を有しない旅券若しくは乗員手帳又は旅券若しくは乗員手帳として偽造された文書を提供して、当該行為の実行を容易にした者も、同様とする。

入管法 第74条の4(罰則-集団密航者の収受・輸送・蔵匿・隠避)

2005年01月19日 | 入管法
前条までは集団密航者と集団密航者の送り出し側に対する罰則でした。
本状は受け入れ側に対する罰則です。
集団密航者を移動させたり、匿ったりすると罰則の対象になります。

第74条の4  第74条第1項又は第2項の罪を犯した者からその上陸させた外国人の全部若しくは一部を収受し、又はその収受した外国人を輸送し、蔵匿し、若しくは隠避させた者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。当該外国人の全部若しくは一部を、これを収受した者から収受し、又はその収受した外国人を輸送し、蔵匿し、若しくは隠避させた者も、同様とする。

2  営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上10年以下の懲役及び1000万円以下の罰金に処する。

3  前二項の罪の未遂は、罰する。

入管法 第74条の3(罰則-集団密航者への船舶等の提供)

2005年01月18日 | 入管法
第74条の3  第74条第1項若しくは第2項又は前条の罪を犯す目的で、その用に供する船舶等を準備した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。情を知つて、その用に供する船舶等を提供した者も、同様とする。

「その用に供する船舶等を準備」「その用に供する船舶等を提供」すなわち、集団密航者へ船などを準備・提供した者も罰則の対象になるということです。

入管法 第74条の2(罰則-集団密航者を輸送した者)

2005年01月17日 | 入管法
集団密航をした者、集団密航を手伝った者以外に、集合密航者を輸送した者も罰則の対象です。
集団密航者を乗せてきた船の船長等も罰則の対象になるということです。

第74条の2  自己の支配又は管理の下にある集団密航者を本邦に向けて輸送し、又は本邦内において上陸の場所に向けて輸送した者は、3年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。

2  営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役及び500万円以下の罰金に処する。

入管法 第74条(罰則-集団密航助長)

2005年01月16日 | 入管法
集団密航をした人だけでなく、させた人も罰せられます。
特に、営利目的で行った場合は罰則が重くなっています。

第74条  自己の支配又は管理の下にある集団密航者(入国審査官から上陸の許可等を受けないで、又は偽りその他不正の手段により入国審査官から上陸の許可等を受けて本邦に上陸する目的を有する集合した外国人をいう。以下同じ。)を本邦に入らせ、又は上陸させた者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

2  営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上10年以下の懲役及び1000万円以下の罰金に処する。

3  前二項の罪(本邦に上陸させる行為に係る部分に限る。)の未遂は、罰する。

入管法 第73条の2(罰則-不法就労助長罪)

2005年01月15日 | 入管法
不法就労した外国人だけでなく、不法就労させた企業も罰せられます。
今回の改正で罰金も300万円に引き上げられています。ご注意下さい。

ここでいう不法就労とは、密入国者・不法残留者等の在留資格を持たない外国人を雇用することだけでなく、留学生等在留資格はあるが資格外活動許可を取っていない者を雇用したり、資格外活動許可はあるが、許可されている時間以上勤務させることを含みます。

第73条の2  次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一  事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者
二  外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者
三  業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあつせんした者

2  前項において、不法就労活動とは、第19条第1項の規定に違反する活動又は第70条第1項第1号から第3号の2まで、第5号、第7号、第7号の2若しくは第8号の2から第8号の4までに掲げる者が行う活動であつて報酬その他の収入を伴うものをいう。

入管法 第73条(罰則-資格外活動)

2005年01月14日 | 入管法
資格外活動に関する罰則です。

第73条  第70条第1項第4号に該当する場合を除き、第19条第1項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行つた者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは200万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。

「第70条第1項第4号」も資格外活動に関する罰則を定めています。
違いは「第70条第1項第4号」がそのような「活動を専ら行つていると明らかに認められる者」であるのに対し、第73条は「活動を行つた者」である点です。

単純にいうと留学生が学校にも行かず、毎日長時間のアルバイトをしていれば、これは「学生」とは呼べませんので、「第70条第1項第4号」により罰金300万円です。
学校にもきちんと通っているけれど、アルバイトの時間が規定より長かったという場合は、第73条により罰金200万円になります。


入管法 第72条(罰則-逃亡等の場合)

2005年01月13日 | 入管法
第72条  次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役若しくは20万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一  収容令書又は退去強制令書によつて身柄を拘束されている者で逃走したもの

二  第52条第6項の規定により放免された者で、同項の規定に基づき付された条件に違反して、逃亡し、又は正当な理由がなくて呼出しに応じないもの
仮放免中に逃亡した場合です。

三  一時庇護のための上陸の許可を受けた者で、第18条の2第3項の規定に基づき付された条件に違反して逃亡したもの

三の二  第55条の3第1項の規定により出国命令を受けた者で、同条第3項の規定に基づき付された条件に違反して逃亡したもの

三の三  第61条の2の4第1項の許可を受けた者で、同条第3項の規定に基づき付された条件に違反して、逃亡し、又は正当な理由がなくて呼出しに応じないもの
仮滞在中に逃亡した場合です。

四  第61条の2の7第3項の規定又は第61条の2の13の規定に違反して難民旅行証明書又は難民旅行証明書を返納しなかつた者

五  第61条の2の12第8項の規定ににより難民旅行証明書の返納を命ぜられた者で、同項の規定により付された期限内にこれを返納しなかつたもの

入管法 第71条(罰則-密出国)

2005年01月12日 | 入管法
外国人の場合も日本人の場合も、日本から出る場合には決められた手続きをしなければなりません。これらの手続きをしなかった場合は罰則があります。

第71条  第25条第2項又は第60条第2項の規定に違反して出国し、又は出国することを企てた者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。

入管法 第70条の2(罰則の免除-難民の場合)

2005年01月11日 | 入管法
第70条の2  前条第1項第1号、第2号、第5号若しくは第7号又は同条第2項の罪を犯した者については、次の各号に該当することの証明があつたときは、その刑を免除する。ただし、当該罪に係る行為をした後遅滞なく入国審査官の面前において、次の各号に該当することの申出をした場合に限る。

一  難民であること。
二  その者の生命、身体又は身体の自由が難民条約第一条A(2)に規定する理由によつて害されるおそれのあつた領域から、直接本邦に入つたものであること。
三  前号のおそれがあることにより当該罪に係る行為をしたものであること。


不法入国・不法残留の罰則は、難民であることを証明されれば免除されます。

入管法 第70条(罰則-不法入国・不法残留の場合等)

2005年01月10日 | 入管法
第70条からは第9章に入ります。第9章は「罰則」の規定です。
今回の入管法改正では罰金額の上限が大きく引き上げられています。
第70条では不法入国罪等の罰金額上限が300万円に引き上げられています。

第70条  次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。

一  第3条の規定に違反して本邦に入つた者
偽造旅券などで入国した人のことです。

二  入国審査官から上陸の許可等を受けないで本邦に上陸した者
密入国などをした人のことです。

三  第22条の4第1項(第一号又は第二号に係るものに限る。)の規定により在留資格を取り消された者で本邦に残留するもの
今回の法改正により新設された「在留資格取消制度」により、在留資格を取り消されたのに出国せず、日本に残留する人のことです。

三の二  第22条の4第6項(第61条の2の8第2項において準用する場合を含む。)の規定により期間の指定を受けた者で、当該期間を経過して本邦に残留するもの
在留資格を取り消され、指定された日までに出国しなかった人のことです。

四  第19条第1項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行つていると明らかに認められる者
資格外活動違反です。留学生が風俗営業の店で働いたり、決められた時間以上労働した場合です。

五  在留期間の更新又は変更を受けないで在留期間を経過して本邦に残留する者
いわゆる不法残留(オーバーステイ)です。

六  仮上陸の許可を受けた者で、第13条第3項の規定に基づき付された条件に違反して、逃亡し、又は正当な理由がなくて呼出しに応じないもの
七  寄港地上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可、緊急上陸の許可、遭難による上陸の許可又は一時庇護のための上陸の許可を受けた者で、旅券又は当該許可書に記載された期間を経過して本邦に残留するもの
七の二  第16条第7項の規定により期間の指定を受けた者で当該期間内に帰船し又は出国しないもの
臨時に特別に上陸を許可されたのに期日までに戻ってこなかった場合です。

八  第22条の2第1項に規定する者で、同条第3項において準用する第20条第3項及び第4項の規定又は第22条の2第4項において準用する第22条第2項及び第3項の規定による許可を受けないで、第22条の2第1項に規定する期間を経過して本邦に残留するもの
外国人夫婦の間に生まれた子供の在留資格取得申請を出生後30日以内に行わなかった場合です。

八の二  第55条の3第1項の規定により出国命令を受けた者で、当該出国命令に係る出国期限を経過して本邦に残留するもの
今回の法改正により新設された「出国命令制度」により、自ら出頭しながら期限までに出国しなかった人です。

八の三  第55条の6の規定により出国命令を取り消された者で本邦に残留するもの
出国命令を取り消され、そのまま日本に居続ける人です。

八の四  第61条の2の4第1項の許可を受けた者で、仮滞在期間を経過して本邦に残留するもの
難民認定申請中の仮滞在期間を過ぎた人です。

九  偽りその他不正の手段により難民の認定を受けた者

2  前項第一号又は第二号に掲げる者が、本邦に上陸した後引き続き不法に在留するときも、同項と同様とする。
不法入国・密入国に時効が働かないようこの規定がおかれています。

入管法 第69条の3(経過措置)

2005年01月09日 | 入管法
第69条の3  出入国管理及び難民認定法の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

法律が改正された時は「附則」として施行期日、経過措置が定められます。
これは省令・政令の場合も同じです。
ルールが変わったら、それをみんなに知らせる時間が必要だし、しばらくは例外も必要になるということです。

入管法 第69条の2(権限の委任)

2005年01月08日 | 入管法
第69条の2  出入国管理及び難民認定法に規定する法務大臣の権限は、法務省令で定めるところにより、地方入国管理局長に委任することができる。ただし、第22条第2項(第22条条の2第4項(第22条の3において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)に規定する権限及び第22条の4第1項に規定する権限(永住者の在留資格に係るものに限る。)並びに第61条の2の2第1項及び第61条の2の5に規定する権限については、この限りでない。

委任できない権限は
1.永住許可・出生等による永住資格の取得
2.難民に対する永住許可
3.難民認定の取消
です。