麻田浩先生があのアトリエでご自身で命を絶たれてから19年になります
私はこの事を二年後?ぐらいに知りました・・・心の優しい先生だから・・・でも悔しいです
そのアトリエに連れて行って頂いたのは、30年以上前の事です
ネットからの先生の写真です・・・初めてお会いしたのが・・・この頃のような気がします
詩吟の先輩に連れて行って頂きました、以前に同じく日本画家〚猪原大家】との
黄金の思い出をブログしたことがありますが、その時の先輩に連れて頂いたのです
猪原先生の時と同じように・・・目的は私の詩吟を聞いて頂く事でした・・・
アトリエに先生はいらっしゃいました・・・・素晴らしい作品を観せて頂きました
特に先生の水滴は抜群で、キャンバスから水滴が滴り落ちそうでした
お人柄が絵に現れると云うか・・・独特の絵画でした・・・そしていよいよ詩吟の話に変わって行きました・・・
私が昭和46年に詩吟の全国大会で優勝して文部大臣賞を受賞したことを、先輩が紹介!
先生は ”是非聞かせてほしい” と云って下さったのです、そして ”詩吟は和室ですよね” とも!
二階のアトリエから、一階の和室へと移ったのでした・・・たまたま来られたフランスからのお客さんも!
”準備が出来ましたので、お願いいたします” と・・・和室に入ってびっくりしました
奥様と、息子さん二人が正座しておられたのです、もちろんフランスからのお客様も
その時息子さんたちは中学生ぐらいだったと記憶しております、
三吟、朗詠しました、麻田先生はフランスの人に内容の説明をされていました!
納得しながら聞いて下さいました・・・終わって、先生がフランスの方に、”印象に残ったのは” と聞かれました
すると 『二つ目の吟に大変感銘を受けました』と・・・・・柳宗元の【江雪】でした
フランスからのお客さんは 『今降りやんだばかりの雪景色と都から左遷された人の悲哀が
実によく表現されていた、静寂の世界を堪能致しました、有難う御座いました』、と
日本語が分からなくても、麻田先生の解説で納得されたようでした
この時の麻田先生のお宅の和室の光景がありありと浮かんでまいります
猪原先生の時と同じ!・・・詩吟を遣ってきてよかった、と逆に感動を頂いた瞬間でした
此処で麻田浩先生のプロフィールをご紹介いたしましょう
1931年に京都に生まれる、父は日本画家の麻田辨自、兄も日本画家、麻田鷹司
1969年、京展にて須田賞受賞
1970年、京展にて万博賞を受賞
1971年、フランスに渡る 「この年に詩吟の全国大会で文部大臣賞を頂きました」
1974年、第6回カーニュ・シュール・メール国債絵画フェスティバルに招待出品、プリ・ナショナル賞受賞〈フランス〉
1977年、第2回カンヌ国際版画芸術ビエンナーレにて銅版画部門第一位
1982年、日本に帰国。 京都に居を移す
1983年、プリ・アンリ・ファルマン受賞〈フランス〉
1985年、プリ・アルフレッド・シスレーを受賞
1995年、第13回宮本三郎賞を受賞。京都府文化功労賞受賞。京都市文化功労賞受賞。
1997年、京都市竜安寺のアトリエにて自ら命を絶つ
日本、ヨーロッパ各地、アメリカにて数多くの個展を開く
2007年、「没後10年 麻田浩展」が京都国立近代美術館にて開催される
2008年、「特別展示 麻田浩展」が東京オペラシティアートギャラリーにて開催される
猪原先生と麻田先生のご冥福を心からお祈り申し上げます