四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「黄昏色の秋」に

2024年11月10日 07時59分05秒 | 作詞、ユーチューブ

 霜月になってなお、夏日が続く今年の秋。立冬を境にようやく秋らしい
陽気となってきました。
 秋と言えば、上田敏の詩集『海潮音』のなかで「落葉」として紹介された
「秋の日の ヴィオロンの ためいきの…」の訳で知られているフランスの
詩人ポール・ヴェルレーヌの詩が思い出されます。
 この詞の本来の題は「秋の歌」ですが…、第二次世界大戦時にはノルマンディー
上陸作戦の際、フランスのレジスタンスに送る暗号としてこの詩の冒頭が
使用されたことでも有名です。


     「黄昏色の秋・・・」

 昨年も、このブログで紹介させて頂きましたが、深まり行く秋にちなんで
かつて、《「黄昏色の秋」によせて》との詞を紡いだことがありました。
それは、コロナ禍により、諸々のイベントが中止となる、かなりの前に
ルシア塩満さんによる「アルパコンサート」が横須賀の、さるカトリック
教会で開催されました。
 本場パラグアイで修行された、ルシア塩満さんは多方面から 日本随一の
アルパ奏者として認められている方です。そのたおやかさなの中にある
力強い演奏には常に圧倒されるものがありました。なお、アルパは
インデアンハープともよばれる南米の民族楽器です。

 その、ルシア塩満さんご自身が作曲された曲が「黄昏色の秋」でした。
その曲の成り立ちについてルシア塩満さんが心をこめて語ってくれましたが、
その語りと演奏を聴き、とっさに浮かんだイメージをメモしたのが、今回の
「黄昏色の秋によせて」の詩でした。書きなぐりの詩であり、作曲には
適さないものでしたが、Yokiさんのアドバイスを頂きながらなんとか
「歌詞」としてまとめてみました。

 今回もYokiさん作曲、じいじさん演奏による曲を紹介させて頂きますので、
ご視聴頂けたら嬉しいです。なお、「ショー・ジロー」は作詞の際に、私の
ペンネームとしています。

「黄昏色の秋」によせて

  作詞    *ショー・ジロー 
  作曲&歌  *yokiさん 
  ギター伴奏 *じいじさん

1. 茜に染まる秋の黄昏  
  季節のたそがれに     
  私はひとり あなたを思う 
  過ぎ去った日が あまりに眩いから         
  明日を思い煩うこともなく      
  今日の日を静かに生きることで    
  私は幸せ                
  その想いのみいだき続けて・・・   

2. 黄昏色の光の底で  
  アルパの音(ね)を聴いて  
  私はひとり 人の秋を思う 
  老いるには いまだ生々しさも     
  捨てきれず かかえているわ
  あなたが今でも好きだから 
  私は幸せ          
  その想いのみいだき続けて・・・ 

3. 黄昏のわたしの影は    
  つらい哀しさも               
  ただ…黙って 見つめてくれた 
  あなたを愛し それゆえ別れた     
  あの思い出は今もほろ苦い            
  そんな別れがないならば         
  こんなにも深く
  あなたへの愛 感じたでしょうか
            了


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8 コメント

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Unknown (1948of)
2024-11-10 09:38:31
素敵な歌詞に、メロディに、甘い音色に、、、癒されます。
何度も聴きました。ありがとうございます。
返信する
1948ofさんへ (ポエット・M)
2024-11-10 13:59:46
1948ofさん こんにちは。
温かな心の篭もったコメントを頂き、ありがとうございます。

当初は曲に乗らない、書きなぐりの詞でしたが、Yokiさん、じいじさんの
アドバイスを頂き、何とか曲に仕上げて頂きました。
私にとっては、Yokiさん、じいじさんは最強の頼もしい仲間です。
この方々を紹介して頂いたのはブログ友のKenさんです。
この方々がいなければ、これらの曲は生まれなかったと思っています。

「何度も聴きました」との言葉は、何よりの励ましと受け止めさせて
頂きました。こちらこそ本当にありがとうございました。
返信する
秋が深まると・・・ (fumiel-shima)
2024-11-10 15:41:22
ポエットMさん、こんにちは。

毎年深まりゆく秋を感じるころになると、私も9年前に71歳でこの世を去った弟が片時も話さなかった中原中也の詩集と上田敏の詩集の中の「秋の日の ヴィオロンの ためいきの…」を思いだすのです。

昨年も10月の下旬に同じようなことを描いたことを思いだしました。 
弟自身も現実に自分の人生などを「ひたぶるにうら悲し」・・と思っていたのかどうか?・・・

今日、みぎまゆさんから教わった「漂流郵便局」へ
弟に問い合わせの手紙を書いてみたいとも思ったのです。
返信する
fumiel-shimaさんへ (ポエット・M)
2024-11-11 07:52:54
fumiel-shimaさん おはようございます。

コメント頂きありがとうございます。

弟さんが片時も放さなかったと言われる「中原中也の詩集」の件は、
昨年伺い、私もよく覚えています。
どなたかが
 《この世で生きる「コツ」や「自己隠蔽術」の対極にある
  中原の詩は、もっとも純粋なもの、汚れていないものとも
  言えるのです。》
と書かれていました。
私たちは、現実の生活の中で、折り合いを付けてきた妥協や、譲歩、
先送りと言ったものに対して、どこかで忸怩たる思いを抱かざるを
得ない自分を抱えてきたと思っています。
そんな自分を洗い流さないまでも、少しは濯いでくれる存在と私も
中也を感じてきました。

「ひたぶるにうら悲し」は、現実の生活の中で誰しもが、ふと感じる
想いかも知れませんが、どこかで深刻な悲しさでなく、それを
感じる自分を許しているという、ゆとりを含んだ想いとも
感じます。弟さんの本当の想いも知らずに軽々に申し上げられ
ませんが…。

「漂流郵便局」宛て、弟さんへの手紙をしたためる試みはいいですね。
干潮と夕暮れが重なる時、壮大な空が鏡のような水面に映り込むと
言われる香川県三豊市の郵便局とのことですね。
これからもよろしくお願い致します。
返信する
嬉しさのあまり・・ (fumiel-shima)
2024-11-11 09:49:28
ポエットMさん、おはようございます。

私の記事へのコメントありがとうございました。
返信コメントと重複しますが、あまりにも嬉しくてついこちらへもお送りしました。

いただいたコメントの中の
>私たちは、現実の生活の中で、折り合いを付けてきた妥協や、譲歩、先送りと言ったものに対して、どこかで忸怩たる思いを抱かざるを得ない自分を抱えてきたと思っています。

この言葉にまさにそうだった・・と自然に頷く私がいます。
「清濁併せ呑む」・・という大義名分(?)のために・・或いは心の底からおおらかに、鷹揚に対処するという信条のために・・と色々な場面で昭和を生きてきた私達には様々な思いが交錯しましたね。

ポエットMさんの言葉で弟が中原中也をに魅了された意味が分かったような気がします。
おそらくおっしゃるような気持だったのだろうと思います。

私は「漂流郵便局」を知りませんでしたが、健康な人にも悩める人達にも知っていただきたいなと思いました。

博学多識のみならず見識が広く深いポエットMさんとこうして交流できる喜びを今日もまた感じました。
これからもよろしくお願いします。
返信する
fumiel-shimaさんへ (ポエット・M)
2024-11-11 19:04:43
fumiel-shimaさん こんばんは。
ご丁寧なコメントを頂き、恐縮しています。

fumiel-shimaさんから種々お話をお伺いする中で、fumiel-shimaさんの大切な弟さんの
感性に、私自身、年代も含めて近しいものを感じてきました。
従って失礼を省みず、少し踏み込んだコメントを書かせて頂きましたが・・・、
受止めて頂き嬉しいです。

ピュアであろうとする志向は、他人ばかりか、時には自分自身を傷つける
ことにもなりますので、生きづらさを常に抱えていくことになると
考えます。私自身もその1人かも知れませんので、中也の詩に共感して来ました。

なお、「見識が・・・」等、fumiel-shimaさんのお言葉には恐縮しています。
ただ、励ましと受け止めさせて頂き、交流させて頂ければと思います。
これからもよろしくお願い致します。
返信する
Unknown (クロママです😆)
2024-11-12 08:44:48
こんにちは😆
立冬も過ぎ軽井沢は益々寒くなったようです。雲場池に行ってきました。ピークには少〜し早かった?けれど
今年も綺麗でした❗️❗️
2句ご教示下さい🙇

➀雲場池
緑と黄色
更に赤
今日より明日
モミジの競演

②喧騒の
中を悠々
雲場池
赤き水面に
カルガモ家族
返信する
クロママさんへ (ポエット・M)
2024-11-12 12:28:26
クロママさん こんにちは。
「水曜サロン」へ出詠頂きありがとうございます。

本作品の歌評、解説等は明日、11月13日付け「水曜サロン その157」に掲載させて頂きます。

これからもよろしくお願い致します。
返信する

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