かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

忠節橋/長良川(岐阜県岐阜市)

2012-09-11 | 近代橋めぐり

忠節橋は国道157号線が長良川に架かる橋で、金華橋の下流、大縄場大橋の上流にあたります。
鋼材の調達が大変だった戦後、日本で初めて建設された鋼橋で、昭和19年に着工し昭和23年に完成しました。
形式は鋼製アーチ橋と呼ばれるもので、補強工事や柵の取替えは行われていますが、長良川に映える美しいアーチは当時のままの変わらない姿を今にとどめています。

◆忠節橋(ちゅうせつ)~長良川/岐阜県岐阜市忠節町~山吹町
 竣工:昭和23年(1948)
 構造:鋼トラス・タイドアーチ



■下流南詰より撮影(2006/09/23)



■下流左岸堤防道路より撮影(2012/09/02)


カフェレストラン桂翆館/旧岐阜県洋服会館(岐阜県岐阜市)

2012-09-10 | 岐阜市周辺の近代建築

石原美術の斜め前にあるレストランで、明治の土蔵造の建物を改装して再利用しています。
元々は貿易事務所として建てられたもので、ファサードは完全にリュニーアルされてとても明治の建物には見えませんが、瓦葺の屋根や石積の土台に当時の面影が残っています。

◆カフェレストラン桂翆館(旧岐阜県洋服会館)/岐阜県岐阜市米屋町2
 竣工:明治40年(1907)
 構造:木造2階建土蔵造
 撮影:2012/09/02 


旧久保田外科(岐阜県岐阜市)

2012-09-09 | 岐阜市周辺の近代建築

岐阜市の中心部と山県市高富町を結ぶ国道256号線(長良橋通り)を北上、長良橋を渡ると国道のすぐ東側を並行して走る旧高富街道沿いに旧久保田外科医院が建っています。
旧街道沿いに東向きに建つ建物は、一見ロマネスク教会を思わせ、正面2階部分の三連続のアーチ窓や両脇の丸窓、軒下の連続小アーチ(ロンバルト帯)が印象的です。しかし玄関廻りに目を転じると、ねじれた円柱や階段状に迫り出したアーチはどこか中近東を思わせるサラセン風で、全体的に異国情緒が漂う洋風建築です。
道路に面した医院部分は洋風でまとめていますが、西側の住居部分は和風で、全体では和洋折衷の店舗付住宅形式の建物になっています。


◆旧久保田外科/岐阜県岐阜市長良福光2651
 竣工:昭和4~9年頃
 設計:五十嵐某
 施工:千代田組
 構造:木造2階建
 撮影:2012/09/02


■建物東側正面~外壁は塗りなおされ玄関ドアや窓枠はサッシに変更されていますが、それ以外は当時の佇まいをよく残しています



■建物北東側



■三連続のアーチ窓には張り出しの手摺を設け、両脇の丸窓は金属製の紋様入り



■北側には金属製の格子が入った大きな丸窓



■異国情緒漂う玄関廻り



■玄関には迫り出しアーチドームを設け、扉框上にはステンドグラス、脇の隅柱には紋様入りタイルが貼られる



■植物の葉っぱの柱頭飾りが付いた渦巻形紋様の円柱はかなりのインパクト


※旧久保田外科は以前このブログで取り壊し情報をアップしましたが、住所が長良北町から長良福光に名称変更されたため、前回の訪問時に建物を見つけられず、取り壊しと勘違いしてしまいました。訂正してお詫びいたします。 
 


今泉排水機場(岐阜県岐阜市)

2012-09-08 | 岐阜市周辺の近代建築

岐阜市を流れる長良川に架かる大縄場大橋のすぐ下流左岸に今泉排水機場があります。
排水機場は本川と支川の合流点に水門・樋門などと一緒に設けられ、支川への逆水を防ぎ、さらにその際の上流からの雨水を排水する役目を担っています。

今泉排水機場は長良川東側、左岸堤防道路に沿って南北に長い長方形の建物で、北側の部分が出っ張った形状になっていて、長良川に面した西側に正面出入り口、南北にも2箇所の出入り口が設けてあります。 
外壁にはピラスター状の柱が張り出し、陸(ろく)屋根の軒下にはタイルの帯、その下には逆V型の連続文様、柱の間には幾何学模様の装飾が施されています。
建物の南側には、竣工時の昭和8年から平成2年まで使われた、古い蝶型弁が展示されています。 
 

◆今泉排水機場/岐阜市桜木町2丁目
 竣工:昭和8年(1933)
 構造:RC造
 撮影:2012/09/02 


■建物北東側~北側壁面に出入り口があります


■建物南西側~南側出入り口の脇に古い蝶型仕切弁が展示されています



■仕切弁と排水機場の概要説明看板
 


■南西側から見た建物~軒下の装飾と壁面中央の幾何学模様がよくわかります



■建物西側~長良川堤防道路より撮影



■西側正面出入り口周り
 


■金属製のプレート




壁面の3種類の幾何学装飾は、何か意味があるのか、単なる設計者の思いつきかは不明ですが、装飾が施された壁面の位置にはそれぞれ決まりがあるようです。

■西側正面出入り口上の三角形


■南北出入り口上~渦巻き模様が唯一水を連想させるデザイン
 

■その他の壁面にある逆三角形



■建物北西側



 


マンホール紀行(14)~岐阜県高山市奥飛騨温泉郷

2012-09-05 | ご当地マンホール紀行

高山市の北東部奥飛騨温泉郷にある新平湯温泉で見つけたマンホール。
ちなみに奥飛騨温泉郷は、平湯温泉、福地温泉、新平湯温泉、栃尾温泉、新穂高温泉 の5つの温泉からなっています。
マンホールには『新平湯』という温泉名が入っているので、それぞれの温泉名が入ったバージョンが存在すると思われます(未確認)
中央には北アルプス周辺に多く生息するオコジョが可愛くデザイン化されています。

 


鍛冶橋/宮川(岐阜県高山市)

2012-09-03 | 近代橋めぐり

宮川に架かる橋では、高山陣屋の前にある赤く塗られた和風高欄の中橋が有名ですが、観光客や交通量の多さでは鍛冶橋に軍配が上がります。
橋の中央あたりの欄干の上に、手長、足長のブロンズ像が設置されていて、観光客人気の撮影スポットになっております。
また鍛冶橋の東側川沿いでは、かの有名な宮川朝市が毎日朝6時から12時まで開催され大変にぎわいます。

■鍛冶橋(かじ)~宮川/岐阜県高山市本町2丁目~下三之町
 竣工:昭和9年(1934)
 構造:RC造
 撮影:2012/08/18


■昭和9年10月竣功の銘が入った親柱(西詰下流側)



■現在の橋の親柱の脇に先代の橋の親柱が保存してあります


筏橋/宮川(岐阜県高山市)

2012-09-02 | 近代橋めぐり

高山市の中心部を南北に流れる宮川には、戦前に架橋された橋がほとんど残っていますが、高欄などは戦後になって改修を受けている橋も多いようです。
岐阜県近代化遺産総合調査報告書によると、上流から枡形橋(昭和7年)、中橋(大正14年)、筏橋(昭和8年)、鍛冶橋(昭和9年)、弥生橋(昭和12年)、連合橋(昭和6年)が現存しています。 

◆筏橋(いかだ)~宮川/岐阜県高山市片原町
 竣工:昭和8年(1933)
 構造:RC
 撮影:2012/08/18


■西詰から撮影~橋を渡ると三町伝建築です


■親柱には昭和8年12月架橋の銘があります