かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

丸の内~有楽町(3)三菱一号館/千代田区

2017-08-19 | 東京の近代建築

JPタワーのすぐ南にある三菱一号館は東京駅と同じ赤レンガ造の洋館ですが、残念ながらすべて復元されたレプリカで、本物の歴史的建造物ではありません。

元々は丸の内初のオフィスビルとしてコンドルが設計したもので竣工は1894年。コンドルは西洋建築を日本に伝えた御雇外国人建築家のひとりで、鹿鳴館の設計者として有名です。明治20年代には自ら設計事務所を開き、各国大使館や三菱一号館をはじめとする丸の内のオフィスビル群、ニコライ堂、岩崎久弥邸などの大作を手がけています。

その後三菱一号館は関東大震災や戦火もくぐり抜けてきましたが、高度成長の真っ只中の1968年に取り壊されました。時代は変わり近代建築が文化財として認識されるようになった2009年、高層棟竣工時に一緒に当時の姿が復元され、現在は美術館やカフェとしてつかわれています。近代建築としては外観だけではなく材質や構造など細部にわたり本格的に再建されたものの一つで、今では東京駅と並び丸の内の赤レンガ建築として親しまれています。


■赤レンガに白い窓脇と隅石でコントラストを付けた外観は、イギリスのクイーンアン様式を基調としています




■急勾配の大屋根に装飾を施したドーマー窓が華やかさを演出しています



◆三菱一号館/千代田区丸の内2-6-2
 竣工:平成21年(2009)/明治27年(1894)
 設計:三菱地所設計/ジョサイア・コンドル
 撮影:2017/08/11

 



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