かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

愛知大学公館/旧陸軍第15師団長官舎(愛知県豊橋市)

2012-02-03 | 東三河の近代建築

豊橋建築散歩~その11

 愛知大学から北へ500mほど離れた県道405号線沿いの小高い丘の上に旧陸軍15師団長官舎があります。建物は明治~大正期に見られる洋館に和館を併設したタイプで、洋館部は寄棟桟瓦葺き、軒周りに蛇腹持送りをつけ、白く塗られた下見板張りで基礎の赤煉瓦がアクセントになっています。洋館は公的スペース、和館はプライベートな居住スペースとして使われました。 戦後は愛知大学学長公館や教員宿舎として利用されましたが、現在は使われている様子はありません。

 深い木立に囲まれた蔦の絡まる古びた洋館は、現代の喧騒から隔離された別世界で、100年前からこの一角だけ時が止まっているようです。

◆愛知大学公館(旧陸軍第15師団長官舎)/愛知県豊橋市高師石塚町22
  竣工:明治45年(1912)
  設計:臨時陸軍建築部
  施工:大林組
  構造:木造平屋建
  撮影:2011/10/09
  ※豊橋市指定有形文化財 

 


当時のままの門柱~左手奥に洋館が建っています





正面玄関車寄せ~向かって右手西側に和館部分が見えます



竣工時の木製ドアが残る玄関



正面玄関脇の出入り口



蔦の絡まる張り出し窓



アーチ型の床下換気口~グリルの格子のデザインも凝っています




庭に残る古井戸~左奥に見えるのが和風住宅部分