伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

胸さわぎのクルーズ

2011-09-20 19:43:39 | 小説
 女子大時代に寮で同室だった3人が還暦を目前にして10日間の船旅をして、アバンチュールを楽しもうとするが・・・という小説。
 若い頃に高校時代の憧れの先輩だった銀行員と結婚したものの夫が作家になると言って銀行を辞めて結局パチンコ浸りで物にならず3年で離婚して娘を育て続けて出会い系サイトで知り合った会社経営者と再婚して2年目の万智子、病院長の娘として何不自由なく育ち経済評論家と結婚して優雅な生活を送ってきたが夫が10年前に事故死して得た生命保険金で贅沢な暮らしをしてその後預金の残額に気付き現在はつましく暮らす容子、メーカーの経理担当者と見合い結婚し堅実で退屈な生活を続けてきて面白みのない夫との退職後の生活にぞっとしている倫代の3人が、学生時代とは変わった相手との思惑の違いやすれ違いを見せながら、クルーズで一緒になった男たちの品定めをしたり、アプローチをしたりのエピソードで展開させています。
 それぞれの境遇での不満と、旅の恥はかきすて的な心情やアバンチュールへの期待感からの昂揚・興奮感、現実に引き戻された際の失望感・打算等が読みどころでしょうか。隣の芝生は青いし、旅の高揚感や恋愛への期待が相手を何割増しかに見せるという、ありがちな教訓も含めて。
 しかし、表紙のイラスト、59歳の3人というにはあんまり・・・


矢口敦子 講談社 2011年1月20日発行

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