伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

ドーン・ロシェルの季節3 いつまでも忘れない

2010-12-13 23:16:02 | 小説
 13歳で急性リンパ性白血病となった少女ドーン・ロシェルの物語第3巻。
 1巻、2巻ではそれぞれ1年を描き、悪化しては治療法を試みて回復するという展開でしたが、3巻では15歳になったドーンの夏休みだけが描かれ、ドーンは寛解期で悪化しないという状態で推移します。
 化学療法、骨髄移植と進み、次はと展開してしまうと続けられないからという気がしますが、今回は、ドーンはサマーキャンプでスタッフになり、癌で不安な子どもたちをサポートする側になります。
 一方で寛解状態となって癌とは関わらずにふつうの生活を送りたい、腫瘍病棟には足を踏み入れたくないという思いと、癌で苦しむ子どもたちの希望の星になって欲しいと望むキャンプスタッフや医療従事者たちの願いに挟まれ、戸惑いながらキャンプに参加するドーンを、問題児マーリーが掻き乱し、マーリーの心を開かせていく過程でドーンが成長していく様子がすがすがしく読めます。例によって、せっかく友達になったマーリーは癌が悪化してドーンの元を去る定めですが、そこからまた新しく始まる生活が、ドーンをさらに成長させることが予想されます。


原題:So much to Live for
ローレイン・マクダニエル 訳日当陽子
岩崎書店 2010年11月8日発行 (原書は1991年)

1巻、2巻は2010年9月20日の記事で紹介しています。

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