Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

ハロウィーン日米比較

2014-11-12 17:49:03 | アメリカ生活雑感
日本語を教えているアメリカ人のご婦人と、ハロウィーン談義。

私の質問は、「いったいいつからお菓子を配る習慣になったのか?」
彼女いはく、「私が子供の頃はかぼちゃをカービングして飾るくらいのささやかな行事だった」らしい。
ということは、ここ30~40年くらいで“お菓子配り”は急に広まったことになる。
サンタクロースがコカ・コーラ社に仕組まれたキャラクターで有名なように、きっとハロウィーンもキャンデー会社によって巧妙に仕組まれた罠なのかもしれない。
それでなくても、アメリカは何かのパレードなどがあるたびにキャンデーを道端にばらまく習慣がある。食べ物を子供たちに投げ与えるというのは、どうも私的には見ていて不愉快なのだが。

それにしても、見るからに体に悪そうなキャンデーを、すでに肥満気味の子供たちに与える判断は大人としては余りにも無責任な気がして、我が家は今年から「ノー・キャンデー主義」。
それを彼女に話すと、彼女もいたく納得していた。

そして私のふたつめの質問は、「あの山ほどあるキャンデーを子供たちは本当に食べきってしまうのか?」だ。
すると彼女は、
「二人の息子がまだ小さかった頃、(翌日からは)毎日2個まで、と決めて食べさせていたの。それで11月の終わりに残ったキャンデーはもったいないけど全部捨てていたわね」
すると当時5歳の次男はこれに対して激しく抵抗し泣き叫び、どうしてももっと食べたいとだだをこねたそうだ。
あまりの暴れぶりに彼女は、
「そこまで言うなら好きなようにしなさい。どうなっても知りませんよ」と答えて放っておいたところ、好きなだけキャンデーをむさぼった次男はその後嘔吐し、寝込んだらしい。ものすごいオチ。
今となっては笑い話だけれど、本当は笑えない。

「子供たちが楽しみにしているのはわかっているけど、もったいない話よね。世界にはキャンデーも食べられない飢えた子どもたちがたくさんいるというのに」
全く同感だ。
とはいえ、子供たちの楽しみを奪うのもかわいそうだし親もどうしていいのかわからなく続けている、というのが現状のようだ。

日本ではキャンデーを配ることよりも、「コスプレ」のほうがよりメジャーになってしまったハロウィーン。
結局は大人たちの姑息な儲け根性で踊らされているだけなのかも。。。
何のためのハロウィーンなのか、日本に必要な文化なのか?よく考えて文化を輸入してほしいものだ。



★ついでに、ハロウィーンについて以前に書いた記事を紹介します。

「ハロウィーン日米比較」



 ついひと昔前までは外国のお祭りだったのに、いつのまにかすっかり日本の秋のメインイベントに定着してしまったハロウィーン。
ハロウィーンがここまでメジャーになった背景には、そもそもお祭り好きで、経済効果が望めそうなものにあっという間に飛びつく日本文化が影響しているといえるでしょう。日本人は古くから、外来文化をうまく独自のものと融合させて取り入れることに天才的。「神道」と「仏教」を合体させてしまった宗教観の寛容さにも、それがよく表れています。良く言えば柔軟性に優れている、悪く言えば節操がない文化、といったところでしょうか。

 このハロウィーン、もともとはアイルランドの古代ケルト人が一年の終わりを10月31日と定めたのが始まり。この日は死者の霊がこの世に戻って親族を訪れたり、悪霊が子供をさらったりすると考えられていました。そこで死者の霊を導いたり悪霊を払ったりするために焚き火を焚いたのが、あのおなじみの「ジャック・オ・ランタン」と呼ばれるかぼちゃ提灯の起源。元は蕪(かぶ)だったそうですが、アメリカにわたった際によりなじみの深いかぼちゃにすり替わったのだとか。さすがアメリカ、文化の“すり替え”はちゃっかり行われていたのです。




 さて、本家本元イベント好きのアメリカ人の血が一気に爆発する年末、ハロウィーンはその幕開けの大事なイベント。9月を過ぎると家々は不気味なデコレーションを競い始め、当日は仮装した子供たちが「Trick or Treat(お菓子をくれないといたずらするぞ)」と言いながら近所を訪問してキャンデーをたらふく集めて回ります。近所とはいえ子供が見知らぬお宅を一軒一軒回るのですから、コミュニティーでは細かいルールが決められています。ちなみに私の住む地域のルールは、1)「Trick or Treat」は3時から7時まで。2)小さな子どもは必ず保護者と一緒に回ること。3)マスクなどの被り物をなるべく避け、顔にペイントすること。4)暗くなってからの訪問時は服に反射器などをとりつけておくこと。5)個人の庭や置物などの所有物に触れないこと。6)訪問は礼儀正しく。7)交通ルールを守ること。8)訪問歓迎の家は玄関灯を点けて合図にすること。― 事故なく楽しく終わらせるため、「徹底して子供たちを守る」という地域の団結力をひしひしと感じます。また同時にハロウィーンは、ご近所との対話や子供たちの成長を確認するという大切な機会を与えてくれています。3歳くらいの女の子にキャンデーを渡してあげたら、「キャンデーをもらったら“ありがとう”って言うのよ」と、一緒に回っていたお姉ちゃんがそばでやさしく教えてあげていて、なんだか心がぽっと温かくなりました。

 日本ではまだまだ、ただの「仮装行列」の域を出ないハロウィーン。イベントだけをただ輸入するのではなく、本来の意味を知り地域ぐるみで覚悟を決めて支え合うと、もっと世代を超えて長く親しまれるお祭りになるのではないでしょうか。(S.N)
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