Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

チャリティーJam。

2011-03-20 20:45:56 | アメリカ生活雑感
先週土曜日、つい2週間ほど前に行った隣町のレストラン&バー“Morgan's Charhouse”に、再びJamりにいった。
前回との違いは、この2週間の間にあの大地震が起こってしまったことだった。
なので、今回は歌って楽しむことが目的ではなく、この大災害からの復興を何とか支援したい、それには歌うことで少しでも多くの人に募金をお願いできればと考えてのことだった。
そこで、あわててこんなポストカードを作成して持っていくことにした。


募金したいと思ってもどこにすればいいのかわからない、そんな人たちのために
信頼できる募金サイトを紹介。
年配の方が多いので、大きなフォントにした。

★ ★

今度行くときは誘ってね、と言われていたSinger仲間のLisaも今夜は一緒で心強い。
8時半ごろ中に入ってみると、ちょうどセカンドステージが始まったところで、
あのメル・トーメおじさんがムードたっぷりに歌っていた。
御年、83歳らしいがその声の艶といったら。かなり歌いなれている。

そして今夜は続々と個性派シンガーが登場。


3年前に見た「植木等おじさん」発見!やっぱりスーダラに見える。

とにかくみんなよく動く。しかも観客にうまくからんでくる。
日本だとパフォーマーとオーディエンスの間にはなんだか目に見えぬ壁があるけれど、
アメリカのいいところはみんなが一体となるところ。
歌っている人たちは観客とアイコンタクトをとり、時には手を取ったりと、サービス満点なのだ。


前回のJamとのきにすっかり仲良くなったおじさま、Padももちろんやってきた。
彼は19の頃からNYで歌っていたという筋金入りのシンガー。
このあたりのJam情報やミュージシャンのことなら何でも知っている、生き字引のような人だ。
彼がいつものように「Fly Me To The Moon」を歌い終え、ピアノのブルースに耳打ちするとブルースが私の名を呼んだ。

私は曲名を彼に告げるとひとことだけこうあいさつした。
「今夜はこの曲を私の美しい国、日本のために歌います。一日も早く復興することを願って。私たちは一生懸命再建します。」
お客さんは一斉に立ち上がって、温かい拍手をおくってくれた。
なんか泣きそう。

今夜選んだのは、あの「What A Wonderful World」
悲しみに打ちひしがれている場合じゃない。これからは「復興」に向けて、またあの美しい海岸をとりもどすのだ。
私の産まれた、あの美しい三陸を取り戻すのだ。


歌い始めたとたん、次々とカップルがフロアに出て踊り始めた。
そう広くはないフロアは、あっという間にスローダンスを踊るカップルで埋め尽くされた。
君たちはひとりじゃないんだよ、とでも言うように。
こういうLoveの表現もあるんだなあ、と歌いながらじいんとなる。

2曲目は明るく「On The Sunny Side Of The Street」。
暗いところを歩いてきた私。でも今日からは明るい表通りを前を向いて進んでいこう、というPositiveな歌詞に勇気づけられる。
座ってみている人たちからも、さまざまなアイコンタクトや、フィンガーコンタクトが飛んできた。
「応援してるよ、頑張れ!」そう言われているようだった。


今夜のステージが終了した後、各テーブルを回って募金カードを配った。
皆、温かい励ましの言葉とハグと共に受けとってくれた。
今の私にできることはこんなちっぽけなことかもしれないけれど、これからもずっと続けていこうと思う。
行ってよかった。
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「がんばろう!日本」。センバツ開催が与える勇気。

2011-03-20 15:39:31 | アメリカ生活雑感
暗いニュースに鬱々となっていたある日、父からこんなメールがきた。

「城南高校(徳島)がはじめて甲子園にでます。選抜です。色々中止になっている中で開催が決定です。アメリカより応援してください」
城南高校は父の出身校。
もともと進学校であまりスポーツで目立つということのなかったこの学校が史上初めて甲子園に出ることになったのだから、野球部OBの父は喜び爆発だ。
27日の第1試合、相手は地元兵庫の強豪、報徳学園。(なんか昔から徳島のチームとよく当たるよな~、この学校・・)
もちろん父も参戦だ。
「バスで応援に行きます。寄付金たんまりとられたからね」


父のようなOBだけでなく、春の選抜高校野球大会開催のニュースは日本中の人々の心の暗闇に光を灯したにちがいない。
今年のスローガンは「がんばろう!日本」。
東日本大震災の被災者や救援に携わる人々を応援する大会と位置づけられた。

「宮城の東北高校は満足に練習ができない中で避難所の給水活動を続け、甲子園で野球ができることを心待ちにしているという報告に強く胸を打たれた」と大会会長の朝比奈豊・毎日新聞社社長。
他にも光星学院(青森)や水城(茨城)など被災地にある出場校が参加を熱望したことが大きな後押しとなり、この最終決定がなされたという。 
19日に大阪入りした東北高校ナインは、地震直後から寮の近くの中学校でボランティア活動をしてきた。
仙台を出発する際には、地元住民が「頑張れ日本、負けるな東北!被災地に元気を」と横断幕を掲げ「勝つぞ、勝つぞ、東北」と手拍子でナインを送り出した。
「全力でプレーしたい。県民、東北のみなさんに頑張っていると思っていただけたら」(上村健人主将・3年)


スポーツイベントの中止や延期が相次ぐ中で、震災後1週間でのこの決定は、まさに英断だったと思う。
心から拍手を送りたい。
また、開催に伴い開会式の簡素化やナイター試合の回避などの特別措置も合わせて決定した。
これは今回に限らず、むしろこれからも続けてほしいことだ。
特に私がうれしかったのは、アルプススタンドでの鳴り物による応援の禁止。
この日のために一生懸命練習してきたブラスバンド部には申し訳ないけれど、野球を本当に楽しもうとするならば鳴り物はやめたほうがいい。
これはアメリカの大リーグ観戦で私が一番感銘を受けたことだった。
観客の声援と息づかいと球音がまじりあう、ひとつの空間の緊張感。
これを一度経験したら、野球に鳴り物はいらないことを実感できるはずだ。
今年の高校球児たちは、ある意味幸せ者かもしれない。


27日の城南-報徳戦。
私もネットで観戦、応援するぞ!
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