2月のオスカー受賞作DVDが、続々と近所の図書館に入荷してきた。
さっそく観たのが、アカデミー8部門を独占した話題作『Slumdog $ Millionaire』。
インド・ムンバイのスラムの孤児たちの過酷な人生と数奇な運命が、あの世界的なクイズ番組「Who Wants to Be a Millionaire?(クイズ$ミリオネア)」を解きながら展開されていく。
主人公はスラムで生まれ育ったジャマールという一人の少年。
民族闘争で目の前で母親を殺され孤児となったジャマールは、兄のサリームと、同じく孤児となった少女ラティカとともにゴミを拾いながら生き延びていく。
そんな孤児たちを食いものにし“プロの物乞い”にしたてあげようとするギャングの手につかまるも、危機一髪のところで脱走。その後もスリ、置き引き、観光名所での偽ガイドなどをしながらその日をしのぐ生活が続く。
しかし、そんな彼がどうしてもあきらめられなかったのが、逃亡のときに離れ離れになったラティカ。
彼女の手をもう少しのところでつかめなかったジャマールの心の中から、ラティカが消えることは決してなかった・・・。
そんなジャマールが、「Who Wants to Be a Millionaire?(クイズ$ミリオネア)」に出演することになり、今まで誰もがなしえなかった最後の一問までたどり着く。
最後の一問に答えて2000万ルピーを手に入れるか。それともすべてを失うか。
彼は全インドが見守る中、最後に残された“ライフライン”を使う。
果たして、そのテレフォンに出た主は?
そして、ジャマールの最後の声が会場に響き渡る。
「ファイナルアンサー」
映画の中でこんなシーンがある。
「クイズ$ミリオネア」で出された「アメリカの100ドル札の人物は誰か?」という問題に答えられたジャマール。しかし、「1000ルピー札の人物」は誰かを知らなかった。
スラムで生まれ育った無学な彼が、どうしてすべての答えを知っていたのか?
何百回もあきらめずに電話をしてまで「クイズ$ミリオネア」に出なければならなかった、その本当の理由は何だったのか?
その答えが最後ですべて明らかになる。
◆◆
スラムに生きる子供たちの生活のあまりの凄惨さにショックを受けつつ、また観るに耐えないようなシーンも何度かあり、はじめの1時間は全身が緊張のあまり硬直しっぱなしだった。
Pちゃんは、ショックのあまり途中で席を立とうとしたほどだ。
しかし、映画が終わってみると、あらゆるシーンが頭のなかにしっかりととどまっており、それらがぐるぐると反芻し始め、話がつきることがなかった。
それほど、全てが見逃せない計算されつくされた映画だったと思う。
そして何と言ってもエンドロール。これぞ“ボリウッド”!(観てのお楽しみ)
この映画が、今年のアカデミー作品賞を受賞したのは、アメリカが自国や(大好きな)イスラエル以外の世界を目の当たりにしたショックがまず大きいと思う。
この映画を観るまでは、インドのスラムにはこのような孤児たちがあふれていることなど知る由もなかっただろう。
その“驚きの”テーマが、「クイズ$ミリオネア」という華やかな別世界に沿ってひとつずつ明らかになっていくという極上のエンターテイメント。
だからこそ、ジャマールが一問、また一問と答える、いや答えてしまえる、その悲しそうな表情が切なくもくるおしい。
日本公開は4月18日(今週末)から。
(C)2008 Celador Films and Channel 4 Television Corporation
さっそく観たのが、アカデミー8部門を独占した話題作『Slumdog $ Millionaire』。
インド・ムンバイのスラムの孤児たちの過酷な人生と数奇な運命が、あの世界的なクイズ番組「Who Wants to Be a Millionaire?(クイズ$ミリオネア)」を解きながら展開されていく。
主人公はスラムで生まれ育ったジャマールという一人の少年。
民族闘争で目の前で母親を殺され孤児となったジャマールは、兄のサリームと、同じく孤児となった少女ラティカとともにゴミを拾いながら生き延びていく。
そんな孤児たちを食いものにし“プロの物乞い”にしたてあげようとするギャングの手につかまるも、危機一髪のところで脱走。その後もスリ、置き引き、観光名所での偽ガイドなどをしながらその日をしのぐ生活が続く。
しかし、そんな彼がどうしてもあきらめられなかったのが、逃亡のときに離れ離れになったラティカ。
彼女の手をもう少しのところでつかめなかったジャマールの心の中から、ラティカが消えることは決してなかった・・・。
そんなジャマールが、「Who Wants to Be a Millionaire?(クイズ$ミリオネア)」に出演することになり、今まで誰もがなしえなかった最後の一問までたどり着く。
最後の一問に答えて2000万ルピーを手に入れるか。それともすべてを失うか。
彼は全インドが見守る中、最後に残された“ライフライン”を使う。
果たして、そのテレフォンに出た主は?
そして、ジャマールの最後の声が会場に響き渡る。
「ファイナルアンサー」
映画の中でこんなシーンがある。
「クイズ$ミリオネア」で出された「アメリカの100ドル札の人物は誰か?」という問題に答えられたジャマール。しかし、「1000ルピー札の人物」は誰かを知らなかった。
スラムで生まれ育った無学な彼が、どうしてすべての答えを知っていたのか?
何百回もあきらめずに電話をしてまで「クイズ$ミリオネア」に出なければならなかった、その本当の理由は何だったのか?
その答えが最後ですべて明らかになる。
◆◆
スラムに生きる子供たちの生活のあまりの凄惨さにショックを受けつつ、また観るに耐えないようなシーンも何度かあり、はじめの1時間は全身が緊張のあまり硬直しっぱなしだった。
Pちゃんは、ショックのあまり途中で席を立とうとしたほどだ。
しかし、映画が終わってみると、あらゆるシーンが頭のなかにしっかりととどまっており、それらがぐるぐると反芻し始め、話がつきることがなかった。
それほど、全てが見逃せない計算されつくされた映画だったと思う。
そして何と言ってもエンドロール。これぞ“ボリウッド”!(観てのお楽しみ)
この映画が、今年のアカデミー作品賞を受賞したのは、アメリカが自国や(大好きな)イスラエル以外の世界を目の当たりにしたショックがまず大きいと思う。
この映画を観るまでは、インドのスラムにはこのような孤児たちがあふれていることなど知る由もなかっただろう。
その“驚きの”テーマが、「クイズ$ミリオネア」という華やかな別世界に沿ってひとつずつ明らかになっていくという極上のエンターテイメント。
だからこそ、ジャマールが一問、また一問と答える、いや答えてしまえる、その悲しそうな表情が切なくもくるおしい。
日本公開は4月18日(今週末)から。
(C)2008 Celador Films and Channel 4 Television Corporation