Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

車狂想曲。

2008-01-11 12:23:32 | アメリカ生活雑感
今まではなくても生きてこれたけれど、これからはそうはいかないもの。
それは、クルマ。
こちらに来てから早や3ヶ月あまり。今までずっと職場の車を使わせてもらっていたがさすがにいつまでも甘えているわけにはいかない。去年からずっと「早く買わなければ」と思いつつついつい後回しになっていた。
そもそも今までふたりとも車に全く興味がなかったせいか、いざ買おうと思っても世の中にはどんな車があるのかすらよくわかっていないものだから時間がかかる。この3ヶ月はまず、“車の研究”に要したといっていいくらいだ。

★ 嗜好の変遷
初めは無邪気に「雪に強い四駆だよね~」「やっぱり車高が高い車」などと言っていた私たち。個人売買サイトで「5000ドルで売ります」の広告を見て、いすゞのロデオなんぞに一瞬走る。調べてみるとあまりにも燃費が悪いので没。
  ↓
エンジンの性能からドイツ車に傾き、フォルクスワーゲンPassatが候補に躍り出る。
が、プレミアムオイル限定なこと、思ったより燃費がよくないことで一気に冷める。
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いやいや、やっぱり「長く乗れる日本車が安心」という根拠のない理由から日本車に絞る。HONDAアコード、シビックなど。このあたりの人気車種は中古車がごまんと出回っているので安い安い。
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日本車同士を比べるうちに比較のポイントは「燃費」という結論に達する。
とにかく年間を通じて走り回ることが予想されるので、多少初期投資は高くてもランニングコストを抑えること、環境にいいことを重視し始める。
  ↓
車を買うならまずこのサイト
これは車を買う人なら必ず見るといわれているWebサイトで、新・中古車の適正価格がさまざまな条件別に提示されていて燃費も比較できる。
そうして絞ったのがHONDAシビック・ハイブリッドとTOYOTAプリウス。
そして・・・

★ ディーラーへ行ってみた。
ある休日、手始めに近所のトヨタディーラーへ行ってみた。
日本でも車を買ったことがないので“ディーラー人生初体験”。
日本ではどうだかしらないが、アメリカのディーラーはとにかくスティッキー(しつこい)。1回試乗させてもらうともうまるで買うかのようにたたみかけてくる。Pちゃんも私もその場で買う人ではないので、むこうがしつこいほど冷めてくる。

「今日は見に来ただけだから」
「でもこのあと誰かが買ってしまいますよ。この価格は今しかない。本当にお得!」
「そんときゃ仕方ない。もう一度ちゃんと考えてから来るから」
そして決まって、最後の説得にマネージャーが出てくる。

どのディーラーにいってもこのパターンがつづく。特にトヨタはしつこい
さらに閉口したのは毎日の電話攻撃と、“来店ありがとう”意味なしメール。
「興味があったらこちらから連絡しますから、絶対に電話してこないでください。」そう頼んでも、必ず翌日には電話がくる。そのくせPちゃんの名前をまともに発音してきた人はいない・・・

★ 試乗エピソード
個人的に結構楽しかったのが、試乗。
ディーラーに行って気に入った車があると、仮のナンバープレートをつけて一般車道をしばらくドライブさせてくれるのだ。
運転はたいがいPちゃんなので、彼ももちろん興味津々。ありとあらゆるメカニックをすべて試そうとする。「このボタンは何?」「こういう場合はどうするの?」と、ときには営業マンも知らないことをどんどんいつもの調子で質問するのでたいがいの営業マンは途中で疲れ果ててしまい「知りません」と開き直るやつらも。
あるとき、GPSシステム(音声ナビ)がいたく気に入ったPちゃん、「近くのガソリンスタンド!」「ラジオに切り替え!」と次々にナビを試して遊び始めた。
後部座席に乗っていた営業マンも得意げに「ナビはいいですよ。こうやって何でも聞けるんですよ」と自慢する。するとPちゃん、ナビに対して一言。
「How are You?」
ナビのおねえちゃん、困惑して思わず声が止まったのには笑えた。

★ そして選んだのは
トヨタプリウス。
個人的にトヨタは好きじゃない(なんか一番でいばってる企業ってキライなのよね)けれど、シビックはハッチバックじゃないので後部の荷物搭載キャパが少ないというのが決め手となり、よってプリウスが繰り上がり当選となった。
こうなると毎日プリウス探し。
たとえばこんなものを毎日見ては、ディーラー、個人かまわずアポをとり見に行く。
あるときは州を超えてお隣のインディアナまで見に行ったが、なんかピンとくるものがないまままた週がすぎ・・・

★ 契約!
今週の木曜日(2月10日)。
一番初めにいったあのしつこいトヨタディーラーで、2005年もののシルバープリウスがお目見え(もちろん中古。それでもプリウスはなかなか中古市場に出てこないのでお値段はるんです)したというニュースを受けて、さっそく仕事帰りにPちゃんと見に行く。もちろん即買いの予定はまったくなし。
実はこのプリウス、2週間前に別のを見に行ったときに目の前でお目当てのプリウスが売れてしまい、帰ろうとしたらマネージャーが「今入ったやつです。同じ値段でどう?」と薦めてきたやつだった。
今日見たら提示価格が1000ドルも上がってるやん~~!!!
「2週間前●●ドルですすめられたよ」とPちゃん。
「んゃ、その価格で」と営業マン即答。
1000ドルくらい、平気で値引きしちゃうのか!?さらにPちゃんがたたみかける。
「あと500ひいてくれたら今買うけど、どう?」
(うわ、めずらし。この人交渉しとるわ・・・)

マネージャーが出てきたけれど、答えはNO。というのもこのプリウス、トヨタのcertified(保証つき)、つまりトヨタのお墨付きをもらうために厳しい性能検査を受け、タイヤもブレーキもすべて新品にしたところだったのだ。なのでこの価格に値引いただけでも大出血大サービスだということ。
個人買主から買うと安いけれど、いつ何時どうなるかわからない。その点certified carだとエンジンほかいろいろな保証がきくのであとあとを考えるとお得なのだった。

事務所に入ったのが閉店間際の9時ごろ。
思わぬ展開になり、やれ支払い書類だ保険の証明書だのとペーパーワークをやっているうちにもう11時。
車はいつ引き取りにくるのかなぁなどとぼんやり考えていたら、なんとその場でまっさらのナンバープレートを貼り付けてくれ、「ハイ」っとキーを渡され「Thank you!」で終わってしまった。
「え?今日お持ち帰りなの?」と何度も聞き返す私。
かくして、まるで野菜を買うみたいにその晩人生初めてのマイカー、シルバープリウスくんが我が家にやってきたのだった。


















Comments (7)
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