そのおかげで、久々に仕事のプレッシャーのない朝を気持ちよくむかえられた。
夕べは風が強かったので一晩中窓の外では木々の音がざわざわと聞こえてきて、それもなんだか子守唄のような心地よさだっだ。
Berkeleyの高台にあるDedeのおうち。毎年ここでThanksgivingのテーブルを囲んだっけ。
朝食後は、Dedeと昔のようにキャンパス付近をぶらぶらしてみる。
数年間住んでいたアパートはそのままだったが、大学前のメイン通りのテレグラフアベニューはすっかり様変わりしていた。
コロナ禍で閉店したままの飲食店や、空きスペースにペンキで描かれた落書きが悲しく見苦しい。
趣味の悪いビルが出現したり、学生用のアパートが林立する無機質な街並みには虚無感が漂う。
昔住んでいた学生アパート。毎晩近所で暴れる学生がうるさくてたまらず引っ越したけど、キャンパスに近くて便利だった。
悪趣味・・
落書きだらけの空きビル
レコードを買いあさったなじみの古レコード屋さんはつぶれずにまだあった。めちゃうれしい!
バークレーの学生たちの集会に歴史的に使われたPeople’s Parkにはバリケードが築かれ、四隅には警官の姿。
何事かと聞くと、こともあろうにここに学生アパートを建設する予定(表向きは)で、よからぬデモなどを起こされないように見張っているのだという。
もちろん、デモなど起こる気配もないので、ポリスも暇を持て余している様子。
まったく天下のUCBが予算をこんなことに無駄遣いしているのか、と情けなくなる。
あきれ返りつつ学内に入ると、見慣れた場所で見慣れた景色が広がっていた。
今全米の大学に広がりつつある、イスラエルによるガザ侵攻、ガザの人たちに対する虐殺行為に対するデモ。
大学がイスラエルの企業に資本援助をすることに対する抗議チラシも多くみられた。
2001年の9月、9・11の直後も同じような光景が広がっていたっけ。
他大学とは違い、UCBではあくまでも平和な形でデモが行われていて、ゴミひとつない整然とした運動だったのが印象的。
卒業式を中止するほどの大学もあったそうだが、ここではそんな暴力は一切見られなかった。
卒業式のシーズンでもあり、すぐ横の正門前では卒業セレモニーを終えた学生たちが誇らしげに記念撮影をしていた。
近くのカフェではいつもと変わらず学生たちが勉強をしている。
この対比もいかにもバークレーらしい。
コロナですっかり留学生が減ってしまったUCBはその遅れを必死で取り戻そうと、最近では学部・学科を乱立させているらしい。それもあって、学生や教授陣の住むアパートが急激に必要になり、市内各所で高層アパートの建設が始まっているのだとか。
中には(失礼だが)成績が良くなくても簡単に入れる学科もあり、”UCB卒業”のネーミングほしさに主にアジアの学生が殺到しているとかで、大学のレベル低下が懸念されている。