言葉
そのことは誰にもしゃべらなかった
言葉とは人間からそんなにも遠いのだろう
「人間」はだれを指しているのだろうか。
「相手」だろうか。「自分」だろうか。
相手にはとどかないとわかっているから、ことばを発しないのか。そしてその相手は、すべての人間なのか。
むしろ、自分自身にとって遠い。遠くて、自分にもはっきり聞こえない。だから相手に伝えることなどできない。ことばにならない「気持ち」だけがある。
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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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