6月1日
■日本は絶対財政破綻しないと主張する経済の専門家たちがいますね。彼らはブログとかYouTubeとかでいろいろ言ってますけど、聞いているとどうも、財政破綻の可能性を論じる論敵を否定しているふうにしか見えないんですね。財務省の嘘つきとか池上彰は財務省の回し者だ・・・みたいに。
■しかし、これだとですね、論敵の論拠が正しいことが大前提となっているはずなんですね。言い換えると、破綻する派も大丈夫派もどちらも論拠そのものは正しいと。こうなると白黒つける裁判官は「結果」であり、内容はただ破綻するかしないかしかない。そして大丈夫派は破綻する日が来るまではずっと破綻しないと言い続けられるわけです。強いられた選択の手品ってやつです。
■まあ議論すれば、彼らの方が頭もいいし、経済も詳しいだろうから、勝てませんが、しかしそれ以前に議論などしたくないですね。たとえば、日本はこれから人口が減るから、そうなると失業率も減る。失業の心配がないのなら増税も気兼ねなくできる、結果日本政府の財政は安定する、とこの手の経済評論家は言います。もっともらしいけど、まったくもっともらしいものでしかない。たんに図式的で機械的な説明で、現実が訪れればたやすくこっぱ微塵となるような議論だ。
■お金というのは幻想です。それが物と交換できる価値があるとする人のとの意識で成り立っている。それがなくなると、ただの紙切れになるわけです。
■「日本は絶対財政破綻しない」論も同じですね。財務省や、あるいはまっとうな経済学者や池上彰氏のような評論家を財務省の悪しき手下と見下し、この人たちの言うことを信じるのはやめよう!と彼らは布教しているだけ。彼らを信じるだけであたかも日本経済が破綻しないかのようだ。
■日本が破綻するかしないかは私は知らない。それどころか、そんなことが問題だとも思わない。経済がこのままだと弱者はじわじわと切り捨てられ、破綻すれば遠慮なく切り捨てられるようになるだけだ。これだけは確実に予測できることだ。