墨象家 | 書家 | 木村松峯(峯子)のブログ shohokimura blog

伊豆の情報、世界の名画、ジオパーク、墨象、書道などの作品を日頃の日記とともに載せています。

書家・かな711/喜撰法師

2018年12月11日 19時54分22秒 | かな

<釈文> わがいほは みやこのたつみ しかぞすむ よをうぢやまを ひとはいふなり

百人一首 第8番                        = 喜撰法師 =

<意味> 私が住んでいるお坊さんの住む庵は、都である平安京のはるか離れた東南にあるものだ

から、おかげさまで心静かに住んでいるのですよ。なのに、皆さんは、私が人々とのお付き合いが

わずらわしいと思って、そんなところに住んでいると言っているようですね。

という意味です。

<鰥賞> いまも昔も噂好きなひとがいたようです。根も葉もない噂は気にしないでいられたら気

持ちもラクなのだけど、あまりにも本心と違うことを言われたり、あることないことを言われたり

すると、少しわずらわしく感じることはありませんか? 喜撰法師もきっとそんな気持ちだったの

でしょう。

<作者> 喜撰法師は、京都のお茶で有名な現在の宇治市に住んでいたお坊さんです。いまから

1200年ほど前の平安時代の初めに生きた人です。この第8番の歌ともう一首が伝わるのみで、まっ

たく正体が不明です。貴族の子息だとか、天皇の出家した後のお名前だとかいわれていますが、詳

しいことはわかっていません。第35番の歌人である紀貫之(きのつらゆき)が選んだ、六人の優れ

た歌人『六歌仙』のひとりにも選ばれています。






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書家・かな710/春道列樹

2018年12月05日 20時03分44秒 | かな

<釈文> やまがはに かぜのかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみじなりけり

百人一首 第32番                        = 春道列樹 =

<意味> 山のなかを流れる川に、風が架けた、川を堰き止めるように造られたしがらみは、川面

にたくさん散って流れかねている紅葉なのだなぁ。

という意味です。

<鰥賞> 山のなかを流れる清流に、紅葉が散っている様子が目に浮かびませんか? 色合いの美し

さとともに、山のなかの空気の清浄さも感じられるようです。

<作者> 春道列樹は、1100年ほど前の下級官僚です。和歌を詠むのが上手でしたが、その生涯は

詳しくわかっていません。






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書家・かな709/柿本人麻呂

2018年11月30日 20時03分46秒 | かな

<釈文> あしひきの やまどりのをの しだりをの ながながしよを ひとりかもねむ

百人一首 第3番                       = 柿本人麻呂 =

<意味> 山鳥の長く垂れ下がった尾のように、長い秋の夜を恋人と離れてたった一人で寂しく寝

ることであろうかな。

という意味です。

<観賞> 人麻呂は、とても愛妻家だったそうです。この和歌は、現代の出張のような仕事で、家

を離れなければならないときに詠んだものと考えられています。仕事先へ向かいながら、「あぁ、

今日は奥さんと一緒に寝られないんだなぁ。寂しいなぁ。」と考えていたときの気持ちが和歌にな

ったのでしょうか。あなたのお父さんもこんなことを考えながら、出張に出掛けてるかも知れませ

ん。お父さんが帰ってきたら、お母さんに会えて嬉しそうにしていませんか? お父さんが出張に

出掛けたら、この和歌を思い出してみてください。

<作者> 柿本人麻呂は、第2番の歌人である持統天皇(じとうてんのう)と同じくらいの時代に

生きた下級官僚です。和歌を詠むのがとても上手だったので、天皇や皇族のために和歌を詠んだり、

一緒に旅行へ出掛けたときには、和歌を詠んで、座を盛り上げました。『万葉集』には、450首以

上もの作品が残されています。第4番の歌人である山部赤人(やまべのあかひと)と並んで「山柿

(さんし)」と呼ばれ、歌聖として尊敬されています。






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書家・かな708/中納言家持

2018年11月27日 19時26分57秒 | かな

<釈文> かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける

百人一首 第6番                       = 中納言家持 =

<意味> 七夕の夜に天の川に橋を掛けるというカササギ。そのカササギが天界のような宮殿に掛

けた橋に霜が降りているなぁ。その白さにを見ると、夜がずいぶんと更けたなぁと思う。

という意味です。

<鰥賞> 奈良時代の昔のことですから、もちろん電気はありません。霜が降りている様子は見え

るようなので、きっと月明かりがあるのでしょう。冬の夜の静かで冴え渡った景色が目に浮かびま

せんか。

<作者> 中納言家持は、本名を大伴家持(おおとものやかもち)といいます。いまから1350年

ほど前の官僚です。中納言は職名で、奈良時代ではなかなかの高官でした。大伴氏は、後に貴族の

ほとんどを占める藤原氏よりもずっと古い家柄でしたが、家持の生きた時代は、藤原氏の勢力に圧

され、大伴氏はかつての勢力を失いつつありました。そんななか、家持は、勤勉に天皇にお仕えし、

また和歌を詠むのがとても上手でした。日本最古の歌集である『万葉集』の編者であると考えられ

ています。






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書家・かな707/恵慶法師

2018年11月24日 19時25分21秒 | かな

<釈文> やえむくら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり

百人一首 第47番                        = 恵慶法師 =

<意味> 幾重にもむくらの生い茂っているこの寂しい宿に、人は誰も訪れてこないが、

今年も秋だけはやってきたよ。

という意味です。

<観賞> 第14番の歌人である河原左大臣源融(かわらのさだいじんみなもとのとおる)

の住んでいた河原院で詠んだ和歌です。融が住んでいた時代から100年ほどが経ち、豪華

なお屋敷も荒れ果てていたようです。時の流れ、人の世の儚さがにじみ出ています。

<作者> 恵慶法師は、いまから1000年ほど前の僧侶です。詳しい生涯はまったく伝わ

っていません。わずかに、播磨国(現在の兵庫県と岡山県の一部)のお寺に居たことがわ

かっているのみです。






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