詰将棋解答選手権 速報ブログ

解答選手権のお知らせと速報です
主催:詰将棋解答選手権実行委員会
後援:朝日新聞社 詰将棋パラダイス 日本将棋連盟

若島実行委員長インタビュー

2009年03月07日 14時25分26秒 | その他

週刊将棋」3月4日号の「クローズアップ」のコーナーに,若島正・実行委員長のインタビューが掲載されました(インタビュアーは実行委員・諏訪).週刊将棋の了解も得て,紙面に掲載できなかった部分を紹介します.

---今回から初級戦と一般戦が全国開催になりました.全国に広げようと思ったきっかけがあったのでしょうか.
若島「まず1つは,去年のチャンピオン戦に宮崎県のお子さんのお母さんから申し込みがあったことです.でもやっぱり行けなくなったと連絡が入りました.前日に宮崎で大会があって,大阪のチャンピオン戦に夜行列車で参加する予定だったけどやっぱり無理なので…という理由でした.そりゃ東京・大阪だけではなく九州の方でも参加したいだろう,もっといろいろな人に参加してもらおうと思いました.
 もう1つは,チェスプロブレムでも世界で同時に解くコンテスト(※1)があるんです.参加国は毎年少しずつ増えていて,今年は世界で27カ国が参加.2クラス合わせて375人が同時に解きました.私が日本の責任者なのですが,今まで5回やって私の知っている限りでは支障はなかった.だいたいうまくいっているんです.世界で同時にできることを日本でできないわけがないと」

---そして協力を呼びかけ,11か所(実行委員会運営の2か所を含む)になりました.
若島「5か所が目標でしたが,それを大きくクリアしてしまいました.もともと詰将棋のグループが全国にあるからいくつか開催できると思ってはいたのですが,かなりのところに協力していただきました.
 注目はどうしてもチャンピオン戦の宮田vs谷川の対決になります.そっちも大事なんだけど,チャンピオン戦はどうにかなるんですよ.しばらくは,誰でも参加できる一般戦や初級戦に力を入れようと思っています」

---どういった方に参加してほしいと思っていますか.
若島「浦野さんのハンドブックシリーズを解いて勉強しているような初心者でも何題か解けるようなものですから,解けたということを体験してもらいたいです.さらに3手詰・5手詰でも解けないものがあるというところから,宮田・谷川でも解けないものがあるんだっていうことも全部つながっています.
 最初は初級戦で出ていて,しばらくすると一般戦の問題でも解けるようになっていて,またしばらくするとチャンピオン戦の問題も解けるようになっている.割と続いているんですね.むちゃくちゃ雲の上というわけではないという感じで3つのクラスを並べたい.
 私も詰将棋を解き始めた頃に5手詰が解けないこともあった.しばらくすると高校(※2)くらいまで解けるようになって,ある時,気づいたら大学院(※2)が解けるようになっていた.急に解けるようになる時期がある.高校までしか解けなかったときから少しだけステップを上がった時に大学院が解けるようになったんです.将棋と同じように,詰将棋でも飛躍的に強くなる時があります.何題か解いてみて,詰将棋がどういうものかわかってくると,途端に解けるようになるんですよ」

---今年は会場が増えたことを差し引いても,申し込みが多いのでは.
若島「ブログと,全国11か所というのが大きいんじゃないでしょうか.インパクトがありますし,全国でやりますよという気分が反映している気がしますね.みんなが同時にやるっていうのはなんだか面白そうじゃないですか.申し込みのメールに『10年くらい将棋も詰将棋もやっていないんだけど,見てたら面白そうだから参加します』って書いてくださった方もいて,そんな人まで惹きつけちゃったんだって嬉しかったですね」

---過去に出場したことのある「リピーター」も多いです.
若島「ファクターとして大きかったのは『解いてみたら意外と面白い』という声です.難しそうでマニアだけのものかと思っていたけれども,解いてみたら意外と面白いっていう反応は嬉しいですね」

---一度会場に入ってしまったら,嫌でも解かないといけないですからね(笑).その代わり解けると「解けるんだ!」とびっくりします.さて3手詰・5手詰でも解くのは大変な人はどうすればいいのでしょうか.
若島「ハンドブックシリーズと解答選手権ではだいぶ違う気がします.詰将棋作家が作る3手詰・5手詰は『駒を交換して頭金』のようなことはやれなくなっていて,空き王手や,飛び駒を使ったものが非常に多くなっちゃうんですよ.今年からは全国に展開して,子供や女性にも解いてもらいたいので,そのへんは気をつけます」

---チェスの解答選手権で上位に入った経験もあるそうですが,詰将棋解答選手権に出場したら優勝できる自信はありますか.
若島「どうお答えしていいかわからないですが.もし出場するなら優勝を目指すしか,仕方がないなと.もちろん対等の勝負はしたいねと思うんですが….今年も全国展開したりとか,やっているうちにいくつかスタイルを変えているので,スタイルを変えたときは責任者としてやらないといけないと思います.いつか他の方に実行委員長をしていただいて…,それよりも出るからにはトレーニングをしたい.そうするとある程度の時間がほしい.大学(※3)を辞めたら出るかもしれません.
 といってもそれは私が60歳くらいになったときの話なので,そうすると肉体的に頭がついていかないかもしれない,という問題があります」

---解答選手権というと宮田敦史五段が実績を作ってスターになりましたが.
若島「こちらとしても,解答選手権を知ってもらうきっかけになりました.宮田君がすごいというのは聞いていたのですが,実際に『どれくらいすごいんだ?』っていうのがありましたし.
 詰将棋を解くのにもいろんなタイプがいます,例えば詰パラは1ヶ月の応募期間があります.1ヶ月ゆっくり考えてどんな難しい作品も解いちゃう人と,解答選手権のように1時間半の中で解く人は違います.どちらがいいというのは一概には言えないんです.『詰将棋はひとりでゆっくり楽しんで解きたいから,あんな会場で大勢の人間とやりたくない』という人もいるのはわかっています.詰将棋の楽しみ方はいくつもあり,これが正しい詰将棋だと言っているわけではありません.あくまでも詰将棋を知ってもらう一つの手だと思っています」

---中は独特の雰囲気ですね.試験とも少し違うような気がします.
若島「私はチェスプロブレムでは選手なのでわかるんですが,結構頭に血がのぼるんです.時間ぎりぎりで解けかけると,本当に頭に血が上ります」

---第1回~第3回は東京で,第4回・第5回は大阪で審判を務めました.審判席から見た選手の様子は.
若島「ものすごく真剣.でも谷川先生が初めて出られたときに,谷口さんの問題(※4)で谷川先生がアツくなっているのはすぐわかりました.特権ですが初めて見て,妙にうれしかったです.
 東京だと宮田君がものすごく速く解いて席を立つ時の『ああ…』っていう雰囲気がなんとも言えない.宮田君はあっという間に立っちゃうから.しびれるんですよね」

---若島さんは出題者の中心でもあります.選手権であるということで創作に気を使うことは?
若島「私は中編作家なのでだいたい20手台・30手台が得意なんですが,毎年作品の集まり具合を見て,このあたりの手数が手薄というのを見て,作るようにしています.また参加者には『上田・若島の作品が見たい』という方もいるので,その方々に喜んでもらえるような,来てよかったと思ってもらえる作品を作ろうと考えています.
 それ以外のことは実は考えていません.難しい作品を作ってやろうとも思っていない.たまたまやさしかったり,たまたま難しかったりすることはあるけれども,作っているときに解答者のことはあまり考えません.去年も『たまたま作品がそうだった』というだけのことです」

---赤旗名人戦で全国優勝もしたことがある若島さんですが,指将棋は全く指さなくなったのでしょうか.
若島「プロ棋士には申し訳ないんですが,詰将棋と指将棋は両立しないんですよ.詰将棋は『どれくらい実戦と関係ないものにしてしまうか』『そんなことありえないだろう』ということ.そうなると将棋の実戦が邪魔になるんです.
 私も詰将棋を作らなかった時期があって,それは大学の将棋部に入っていたときでした.横歩取りの変化がどうこうとか言っていたら,詰将棋は作っていられないですよ.そうはいっても将棋を指すのは詰将棋とは別種の楽しみがあるので,大学を辞めたらやってみたいというのはあるんですが…,まぁ無理ですね.専業作家になりたいので.私は,実はチェスをやったことがないんです.やりたいなと思ったこともあるんですが,強くなるためにどれくらいの時間を投資しないといけないかわかっているのでやりませんでした.
 詰将棋は作っていると我を忘れる.こんなに面白いものはないですよ.世の中に対して面白いことはあまりないけれども,詰将棋を作ることほど面白いものはないです」

---来年以降の展望は.
若島「やりたいことはだいたい今年に実現しそうなので,今は今年のことしか考えられないです.地域の方に気軽に,10人いなくてもできるくらいの感じで,近所の子供たちを集めてというのでもかまわないので気楽に手をあげてほしいですね.やり方はいろいろあると思うんですよね.
 将来的には各都道府県に1か所あればと思います.それだけあればどんな人でも参加できるんじゃないでしょうか.熱心な人が1人いて『私が責任者になります』と言ってもらえればできますからね.ご希望があればですが,私が地域会場に行くことも考えています.
 いつも考えていることは『初めて詰将棋をやります』という人から谷川宮田レベルまで全ての人が楽しめるイベントです.個人的には詰将棋に対する恩義があって,詰将棋がなければつまんねぇ人生だなと思うことがあるんです.詰将棋を始めて45年経つけれども,こんなに面白いものはないですよ.詰将棋に対して恩返しがしたい.詰将棋のためだったら何でもします」

(※1)チェスプロブレムの世界で同時に解くコンテスト…山田康平さんインタビューにも出てきた「国際ソルヴィング・コンテスト(ISC)」.
(※2)高校・大学院…詰将棋専門の月刊誌「詰将棋パラダイス」のコーナー名.3~7手詰が「小学校」,9~11手詰が「中学校」,13~17手が「高校」,19~29手が「短期大学」,31~49手が「大学」,51手以上が「大学院」.他に初級者向けコーナー「ヨチヨチルーム」「保育園」「幼稚園」もある.
(※3)大学…こちらは実世界の大学.若島実行委員長は,実は大学教授でもある.
(※4)谷口さんの問題…第4回第1ラウンド4番.谷川九段インタビュー前編に詳しい.

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