「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

静岡空港利用者の推移(開港6年目3か月)~依然、税金補助チャータで3位継続も・・~

2014-09-09 21:58:00 | 静岡空港
静岡空港利用者数(搭乗者数)の推移

(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で6か年を比較したグラフです。
以下、開港6年目の3か月目となる8月実績に基づき傾向を概観する。

<傾向等>
開港から6年目の3か月目となる8月実績は、先月の勢いはやや影を落とし、国内線では過去最高を記録した路線はなく、国際線でも近隣空港との旅客争奪が激化している台湾線が頭打ちで減少、上海線のみ過去最高となった。
結果として、先月の対前年比で16.5%アップ、ピーク年に比較して9.3%下回る過去第3位の実績に対し、今月は対前年比で8.7%アップ、ピーク年に比較して14.1%下回る過去第3位の実績であった。

国内線の問題は各路線とも過去の壁をなかなか越えられず、税金で減少幅を押さえているという悲壮な現実を見て取れる中、今後は、航空会社や旅行会社などにも多額の税金が投入されるうちでも、特に優遇補助のチャーター便に力を入れていく方向のようである。

一方で、国際線は上海線に好調が見られるが、9月からは再び減便となるなど、需要のおう盛な時期の近隣空港であふれた需要の受け皿としての一過性に過ぎないとも見られ、来月以降の動向が注視されるところである。
また、国際線は、定期便だけ見ればワースト2位となるところを、過去2位に押し上げた6月からの天津航空(1便100万円補助)などのチャーター便が、人数にすればわずか8,531人ながら、静岡空港のような元々利用者の少ない空港においては対前年同月比にして37%も押し上げ国際線の対前年同月比は118.2%と、先月7月の133.8%に比べれば抑えられたものの、伸張した。(チャーター便がなければ同81.1%に過ぎず、チャーター便のような厚遇な税金補助のない既存路線の需要の維持が課題であることがわかる)
しかし、県民が搭乗できる国内のチャーター便と異なり、天津(中国)のチャーター便(180席の機材)は県民の税金で県内に1泊もしなくても1便100万円も補助することとなり、公益性には大いに疑問がある税金の使い方と言える。

結果、トータルでは、開港初年及び2年目には及ばないものの、歴代(過去6年間で)第3位の実績となった。

路線ごとに見た過去6年間の8月実績のみで比較した順位と比率は以下のとおり。
札幌線9,643人   4位/過去6年(1位の平成21年14,013人に対して68.8%
福岡線11,226人  2位/過去6年(1位の平成21年15,593人に対して72.0%
鹿児島線1,687人  4位/過去6年(1位の平成22年3,372に対して50.0%
沖縄線8,229人   2位/過去6年(1位の平成25年9,331人に対して88.2%
ソウル線5,811人 6位/過去6年(1位の平成22年19,000人に対して30.6%
上海線6,773人   1位/過去5年(2位の平成24年4,660人に対して145.3%
台湾線4,120人   2位/過去3年(1位の平成25年4,914人に対して83.8%
また、上記路線以外のチャーター便を含む総利用者は56,162人で過去6年間で第3位、ピークの平成21年(64,008人+上海推計1,350人)に比べて85.9%であった。

国内線と国際線の過去6年間の推移を見ると、

定期便中心の国内線が2年目以降横ばいで、国際線が緩やかな伸びのトレンドを示している。

国内線の内訳を見ると、

札幌、福岡の両路線は初年度の壁が遠く、沖縄線も頭打ち、鹿児島線は低迷状態にある。

国際線にあっては、

上海線が緩やかな伸びのトレンドを示す中、ソウル便が激減するのと対照的に補助金優遇のチャーター便が急な伸びを見せていることが分かる。

以下、今月の実績を記す。
<平成26年8月の実績:対前年同月比>
路線:搭乗者数対前年同月比(H26.8/H25.8):搭乗率[H26.8;H25.8](赤文字は搭乗率が65%を下回っており、税金補助がなければ路線存続が疑問視されるもの)

札幌線:109.3%(9,643人/8,825人):[69.6%;66.4%]
福岡線:107.9%(11,226人/10,403人):[75.4%;74.3%]
沖縄線:88.2%(8,229人/9,331人):[75.4%;85.5%]
鹿児島線:113.5%(1,687人/1,486人):[83.7%;74.6%]
国内定期便計:102.5%(30,785人/30,045人):[73.9%;74.7%]

国内線チャーター便計:49.3%(142人/288人):[93.4%;94.7%]

国内線計:102.0%(30,785人/30,333人):[55.1%;74.9%]

ソウル線:47.9%(5,811人/12,098人):[84.7%;62.7%]
上海線:189.3%(6,773人/3,578人):[65.8%;63.9%]
台北線:83.8%(4,120人/4,914人):[72.4%;74.5%]
国際線定期便計:81.1%(14,109人/20,590人):[73.1%;65.4%]

国際線チャーター便計:1,125.5%(8,531人/758人):[94.8%;82.8%]

国際線計:118.2%(22,842人/21,348人):[79.3%;65.9%]

全路線計:108.7%(56,162人/51,681人):[76.2%;70.9%]