「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

マスクの効果と選択

2009-05-06 23:22:00 | 新型インフルエンザ
新型インフルエンザ騒ぎでマスクが売れている。
ネット通販で上位は「N95」という(飛沫感染だけでなく空気感染も防ぐ)高性能マスクというから命にかかわるとなれば多少高くてもということなのだろう。
しかし、「N95」は一般の人が購入し日常で用いるべきマスクではない。
一般にお勧めする高機能マスクなら同じ不織布製の「サージカルマスク」だ。
理由は「N95]の正しい装着の難しさと、正しく装着した場合の呼吸のしづらさ、加えて、飛沫感染防止の上での違いの無さだ。
確かに「N95」はウイルスそのものが浮遊していたとしたらその侵入を防ぐに優れるが、それは正しく装着してのこと。そのチェックのためのフィッティングテストの機材まであるくらい慣れが必要で、大抵はマスクと皮膚の間の隙間から空気漏れが出るものだ。(空気感染の意味は無い)
その上、正しく装着すれば、長時間装着や走ることはもちろん、車の運転もつらいくらいだ。
あくまで閉鎖空間で対面で診察したり問診する際に一時的に装着する医師などが用いるべきものと考えた方が良い。
そもそも、口だけ空気感染防止用の高性能のマスクを装着しながらゴーグルもしないで目の粘膜をさらしていたら「頭隠して尻隠さず」というものだ。
私が個人で備蓄しているのももちろん「サージカルマスク」、ただし、ドロマイト入りの抗ウイルスタイプのマスクだが。

マスクの効果についてはかつてのスパニッシュインフルエンザの際にも話題となり、効果がないとまで言われたこともあった。
これについて、流行後に記録された内務省衛生局編「流行性感冒」によると、「マスクは病原菌吸入を防ぎ得るとするも尚之以外の伝染路を注意せざる可らず。汚手、日用炊飲食器、料理店に於ける飲食器具、不衛生食物、回転タオル、病毒付着せる食物等は本病の一般媒介なり。」とある。(ちなみに、当時でさえ「ガーゼはマスクの材料としては不完全なり。」との記述あり)
マスクをしていれば安心とばかり、外す時に表面を手で触れて、その手で何かを食べれば何の意味も無い。
マスクと手洗いは基本中の基本、それ以外にも注意すべきことはあるのであって、(防護服やゴーグルなどの)完全防備なしでの「N95]は気休め、一歩間違えれば油断の原因でしかないのである。