漢方処方と漢方の証の相違

漢方的病理の把握の仕方により漢方処方が違ってきます。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

46.潮熱

2008年10月15日 | Weblog

「潮熱」とは、實熱であります。

「潮熱」の症状の記載されている所を、傷寒論、金匱要略より取り出して見ますと

傷寒論の「辨脉法第一」の第29条に
●跌陽の脈、遅にして緩なれば胃氣經の如くなり、跌陽の脈浮にして數、浮は則ち胃を傷り、數は則ち脾を動ず、此れ本の病に非ず、醫特に之れを下して為す所なり、営衛内に陥り、其の數先づ微に脈反って但浮なれば、其の人必ず大便鞕く、氣噫して除く、何を以って之れを言う、もと數脈脾を動ずるに、其の數先づ微なるを以っての故に脾氣治らず、大便鞕く氣噫して除くを知る、今脈反って浮、其の數、微に改まり邪氣独り留まれば
心中則ち饑ゆ、邪熱穀を殺せず潮熱発渇、數脈當に遅緩なるべく脈前後に因り、度数法の如ければ病者則ち饑ゆ、數脈時ならざれば則ち悪瘡を生ずるなり。

傷寒論の「辨太陽病脈證并治中第六」の第79条に
●傷寒、十三日解せず、胸脇満して嘔し、日晡所潮熱を発し、已って而して微利するは、此もと柴胡の證、之れを下して、利することを得ざるに、今反って利する者は、知る,醫丸薬を以って之れを下せるを其の治に非ざるなり,潮熱する者は實なり、先づ、宜しく、小柴胡湯にて、以って外を解し、後、
柴胡加芒硝湯を以って、之れを主どるべし。

傷寒論の「辨太陽脈證并治下第七」の第10条に
●太陽病、重ねて汗を発して、復た之れを下し、大便せざること五六日、舌上燥して渇し、日晡所、小し潮熱あり、心下より少腹に至り、鞕満して痛み、近づくべからざる者は、大陥胸湯之れを主どる。
 

傷寒論の「辨陽明脈證并治第八」の第31条に
陽明病、脉遅汗出づと雖も、惡寒せざる者は、其の身必ず重く、短氣腹満して喘す、潮熱有る者は、此れ外解せんと欲す、裏を攻むべきなり、手足に濈然として汗出づる者は、此れ大便已に鞕きなり、大承氣湯之を主どる。若し汗多く微に発熱惡寒する者は、外未だ解せざるなり、其の熱潮せざれば未だ承氣湯を與ふべからず、若し腹大満通ぜざる者は、小承氣湯を與ふべし、微しく胃氣を和し大いに泄下せしむる勿れ。

傷寒論の「辨陽明脈證并治第八」の第32条に
陽明病、潮熱、大便微に鞕き者は、大承気湯を與うべし、鞕からざる者は、之れを與へず、若し大便せざること六七日なれば、恐らくは、燥屎有らむ、之れを知らんと欲するの法は、少しく小承気湯を與う、湯入りて腹中に轉失気する者は、此れ燥屎有り、乃ち之れを攻むべし、若し轉失気せざる者は、此れ但だ、初頭鞕く、後必ず溏す、之れを攻むべからず、、之れを攻むれば、必ず脹懣し食する能はざるなり、水を飲まんと欲する者に、水を能うれば、則ち噦す、其の後發熱する者は、必ず大便復た鞕くして、少なきなり、小承気湯を以て、之れを和し、轉失気せざる者は、慎みて、之れを、攻むべからず。

傷寒論の「辨陽明脈證并治第八」の第36条に
●傷寒、若しくは吐し、若しくは下して後、解せず、大便せざること五六日より上りて十餘日に至り、日晡所潮熱を発し、悪寒せず、獨語鬼を見る状の如し、若し劇き者は、發すれば則ち人を識らず、循衣摸牀、愓として安からず、微喘、直視す、脈弦なる者は生き、濇なる者は死す、微なる者但だ発熱譫語する者は、大承気湯之れを主どる。、若し一服して利すれば、後服を止む。

傷寒論の「辨陽明脈證并治第八」の第38条に
●陽明病、譫語、潮熱を発し、脈滑にして疾なる者は、小承気湯之れを主どる、承気湯一升を與うるに
因り、腹中轉失気する者は、更に一升を服す、若し
轉失気せざれば、更に之れを與うる勿れ、明日大便せず、脈反て微濇の者は、裏虚なり、治し難しと為す、更に承気湯を與うべからざるなり。

傷寒論の「辨陽明脈證并治第八」の第39条に
●陽明病、譫語、潮熱あり 、反て食する能はざる者は、胃中必ず燥屎五六枚有るなり、若し能く食する者は、但だ鞕きのみ、宜しく大承気湯にて之れを下すべし。

傷寒論の「辨陽明脈證并治第八」の第44条に
●二陽の併病、太陽の證罷みて、但だ潮熱を発し、手足鎹鎹と汗出で大便難くして譫語する者は、之れを下せば則ち愈ゆ、大承気湯に宜し。

傷寒論の「辨陽明脈證并治第八」の第51条に
●陽明病、潮熱を発し、大便溏、小便自可し、胸脇満去らざる者は、小柴胡湯之れを主どる。

傷寒論の「辨陽明脈證并治第八」の第53条に
●陽明の中風、脈弦浮大にして短気、腹都て満、胸下及び心痛し、久しく之れを按ずるも、氣通ぜず、鼻乾き、汗するを得ず、臥するを嗜み、一身及び面目悉く黄、小便難、潮熱有りて、時時噦す、耳の前後腫れ、之れを刺せば、小しく差ゆるも外解せず、病十日を過ぎ、脈続いて浮の者は、小柴胡湯を與う、脉但だ浮、餘證無き者は、麻黄湯を與う、若し尿せず、腹満、噦を加うる者は、治せず。

潮熱の症状のある処方は

1.小柴胡湯・・・・・・・・・・・・・陽明病、潮熱を発す(胸脇満去らざる
2.柴胡加芒硝湯・・・・・・・・・日晡所、潮熱を発す(胸脇満して嘔し
3.大陥胸湯・・・・・・・・・・・・・日晡所、小しく潮熱有り(心下より少腹に至り
4.小承氣湯・・・・・・・・・・・・・譫語、潮熱を発す
5.大承気湯
・・・・・・・・・・・・・潮熱あり 
                  潮熱
、大便微に鞕き者
                  日晡所潮熱を発す

小柴胡湯・柴胡加芒硝湯・大陥胸湯は、病邪がすでに陽明に及んでいるものの、未だ少陽の位置をはなれていない者であります。

潮熱は、下すべき證であります。


この記事についてブログを書く
« 45.煩熱 | トップ | 47.往来寒熱 »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事