漢方処方と漢方の証の相違

漢方的病理の把握の仕方により漢方処方が違ってきます。

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53.厥

2011年05月11日 | Weblog

「厥」とは手足逆冷のことであります。厥に寒厥あり、熱厥あり、寒熱錯雑なる者あり、寒熱に因らざる者あり、各脈証と合わせて其の厥たる所以を考えてみると良いのではないでしょうか。
「厥」
の証を傷寒論から取り出してみますと

傷寒論の「辨太陽病脈證并治法上第五」の第30条に
●傷寒脉浮、自汗出で、小便數、心煩し微悪寒し、脚攣急す。反って桂枝湯を与へ其の表を攻めんと欲す。此れ誤りなり.之れを得れば便ちす。咽中渇き、煩燥、吐逆する者は甘草乾姜湯をつくり、之れを与え、以て其の陽を復す。若し兪え足温なる者は更に芍薬甘草湯を作り之れを与う。其の脚即ち伸ぶ。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第5条に
●諸の四逆しする者は、下すべからず、虚家も亦然り。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第6条に
●傷寒、先にして後、発熱して利する者は、必ず自ら止む、を見はせば復た利す。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第7条に
●傷寒始めに発熱すること六日、すること反って九日にして利す、およそ利する者は當に食する能はざるべし、今反って食し能う者は恐らくは除中と為さん、食せしむるに索餅を以ってし発熱せざる者は胃気尚ほ在るを知る、必ず愈ゆ、恐らくは暴かに熱来り出でて復た去るべきなり、後三日に之を脈しその熱続いて在る者は之を期するに旦日夜半に愈へん、しかるゆえんの者は本発熱六日厥反って九日復た発熱すること三日前の六日を併せて亦九日と為すと相応ず、故に之を期して旦日夜半に愈えんと謂う、後三日之を脈するに而も脈数にして其熱罷まざる者は此れを熱気の有餘となす必ず癰膿を発するなり。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第9条に
●傷寒、先づし後に発熱下利するは必ず自から止む,而るに反って汗出で咽中痛む者は其喉痹をなす、発熱汗無くして利するは必ず自から止む若し止まざれば必ず膿血を便す膿血を便する者は其の喉痹せず。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第10条に
●傷寒一二日より四五日に至りてする者は必ず発熱し前に熱する者は後必ずし、深き者は熱も亦深く微なる者は熱も亦微し之を下すに応ずるを反って汗を発すれば必ず口傷れて爛れ赤し。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第11条に
●傷寒、を病むこと五日熱も亦五日なれば、設しも六日には當に復たすべし、せざる者は自から愈ゆ、終に五日を過ぎず熱も五日なるを以ての故に自から愈ゆるを知る。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第12条に
●凡そなる者は陰陽の氣相順接せず便ちを為す、なる者は手足逆冷する是なり。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第13条に
●傷寒脈微にしてし七八日に至り膚冷え其の人躁して暫くも安き時無き者は此れを藏となすは非なり、蚘の者は其の人當に蚘を吐すべし、病者をして静にせしめ而して復た煩せしむ此れを藏寒となす、蚘上って膈に入る故に煩す須臾にして復た止む食を得て嘔し又は煩する者は蚘食臭を聞いて出づ其の人自から蚘を吐す、蚘の者は烏梅圓之を主どる、又久利を主どるの方。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第14条に
●傷寒熱少なく微に指頭寒え黙黙と食を欲せず煩躁数日にして小便利し色白き者は此れ熱除くなり、食を得んと欲する者は其の病愈ゆると為す、若しして嘔し胸脇煩満する者は其の後必ず便血す。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第16条に
●傷寒発熱すること四日すること反って三日復た熱すること四日少く熱多きは其の病當に愈ゆべし、四日より七日に至りて熱除かざる者は其の後必ず膿血を便す。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第17条に
●傷寒すること四日熱すること反って三日復たすること五日なれば其の病進むと為す、寒多く熱少く陽気退く故に進むと為すなり。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第20条に
●傷寒、発熱し下利至って甚し止まざる者は死す。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第22条に
●傷寒五六日結胸せず腹濡に脈虚し復たする者は下すべからず、此れを亡血となす之を下せば死す。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第23条に
●発熱して厥し、七日に下利する者は治し難しと為す。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第25条に
●傷寒、脈滑にしてする者は、裏に熱有るなり、白虎湯之を主どる。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第31条に
●傷寒して而して心下悸する者は宜しく先づ水を治すべし當に茯苓甘草湯を服し却って其のを治すべし、爾せざれば水漬胃に入り必ず利を作すなり。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第42条に
●下利脈沈にして遅,其の人面少し赤く身に微熱有りて下利清穀する者は、必ず鬱冒し汗出でて解し病人必ず微す、然るゆえんの者は、其の面戴陽し下も虚するが故なり。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第46条に
●下利清穀、裏寒外熱し汗出でてする者は通脈四逆湯之を主どる。

傷寒論の「辨厥陰病脈證并治第十二」の第53条に
●嘔して脈弱、小便また利し、身に微熱ありてを現はす者は治し難し、四逆湯之を主どる。

傷寒論の「霍乱病脈證并治第十三」の第10条に
●吐已み下断じ汗出でてし四肢拘急解せず脈微絶せんと欲する者は通脈四逆加猪膽汁湯之を主どる。

金匱要略の「嘔吐噦下利病脈證治第十七」の第24条に
●乾嘔し、噦し、もし手足する者は、橘皮湯之を主どる。


「厥」のある症状の処方は

寒に属する場合

Ⅰ. 甘草乾姜湯・・・・・・・・

Ⅱ. 四逆湯・・・・・・・・・・・・四肢

Ⅲ.通脈四逆湯・・・・・・・・汗出で厥す

Ⅳ.通脈四逆加猪胆汁湯・・・・汗出で

寒熱錯雑の場合

Ⅰ.烏梅圓・・・・・・・・・・蚘

熱に属する場合

Ⅰ.小柴胡湯・・・・・・・・・熱少

Ⅱ.承気湯類・・・・・・・・・深き者熱亦深し

Ⅲ.白虎湯・・・・・・・・・・脈滑にして

寒熱によらない場合

Ⅰ.橘皮湯・・・・・・(手足

Ⅱ.茯苓甘草湯・・・・水(


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