獅子内工房

のどかな毎日 のんびり染色

掘り出しもの 2

2007-03-08 04:47:48 | のどかな毎日



骨董市で以前から気になっていたものがあった。
先日、羊の毛刈り用のはさみと共に買い求めた。

蝋燭を立てて、
手に持ったり壁に掛けたりできるあかり。

「自在手燭」

ランプが登場する前に使われていたもの。
現代では懐中電灯にあたる道具だ。

細切りの鉄板をH字状に組み、
Hの字の中棒部分に湾曲させた柄が付く。
H字状のフレームの下の部分は外側に、
持ち手の手元部分は内側に折り曲げられて、
足が作られている。

蝋燭を立てる軸の根元を、
台座とU字状のアームに突き通し、
先端を潰して固定している。

U字状のアームはH字状のフレームに、
ワッシャーをかませてつなげられており、
この部分が振り子状に可動して、
蝋燭の角度を変えられるようになっている。
手燭と掛燭の両方に使えるのだ。

    

ワッシャーの表面と縁の面取りには凹凸がある。
形も微妙に違う。
鉄板の連結部分の面取りがしてあり、
この角度も微妙に違う。
連結部分はすべて鋲止めで、
鋲の先端を潰して固定してある。
先端の潰れ具合もそれぞれ異なる。

工業製品ではない?

柄の足には丸い穴があり、
この上の方に擦れた跡や小さな凹みがある。
壁に打ち付けた釘にひっかけて、
壁に掛けた跡だ。

江戸時代後期から大正時代のものなのだろうか?
全体的に華奢で優美な感じがする。
屋内用だろう。

亀山に、
和蝋燭を注文しなくては。