獅子丸のモノローグ

☆気まぐれ不定期コラム☆

薄幸なる5ドア車たち(23) 三菱・ギャランスポーツ

2010年04月29日 | カタログ倉庫

   
 5ドア車には、なぜかその名に「スポーツ」という単語を含むクルマが多い。
 「アウディA3A5スポーツバック」「アクセラアテンザスポーツ」そして、「ギャラン・フォルティス スポーツバック」・・・
 今から16年前に、三菱からリリースされていたこの「ギャランスポーツ」が、「元祖5ドアスポーツ」だといっても過言ではないだろう。

   
   
 「GTRV」・・・GTの走りとRVの楽しさを併せ持つということから与えられたこのキャッチフレーズ。
 安直さを感じずにはいられないが、かつて豪州から逆輸入されていた日産ブルーバード・オーズィーの「豪ing」よりは、まだマシかもしれない。

   
 斜め後ろから見たその姿は、なかなか流麗である。

   
 ターボモデルの「SPORTS GT」のインテリアには、ホワイトメーターや革巻ステアリングホイールが奢られている。

   
 「ファジィTCL」というトラクションコントロール機能や、「ファジィシフト」という名の4AT。
 「ファジィ」という単語が、当時の世相を彷彿とさせる。
 また、搭載エンジンがV型6気筒2000ccであることも、特記すべき事項であろう。
 
  
 高さ方向の余裕はないが、実用上は十分と思われるラゲッジスペース。

   
 RVらしく、リヤシートは6:4の分割で可倒でき、

   
 座面を起こすと、フラットで広大なラゲッジスペースが!

    
 バンパーガードやルーフレール等を纏い、当時でいうところの「RVらしさ」を演出したエクステリア。

   
 「SPORTS GT」はフルタイム4WD&DOHCツインターボで武装。
 ツートンカラーもこのグレードのみの仕様である。
 なおかつ5MTも選べる。

   
 対して「SPORTS」は、FFのSOHCエンジンで、ファジィな4ATのみの設定。
 いずれのグレードでも、基本的なボディカラーは「キルダーグリーン」「ムーンライトブルー」「クタニレッド」の3種のみと、やや淋しい。

   
   
 「SPORTS GT」(5MT)のスリーサイズは、全長4705mm×全幅1730mm×全高1460mmで、車両重量1450kg。
 ちなみにBPレガシィGT(5MT)のそれは、4680mm×1730mm×1470mmで1460kgなので、ほぼ同じサイズのクルマといっていいと思う。

   
 ただし、10・15モード燃費は、「SPORTS GT」の5MTで10.2km/Lで、SOHCの「SPORTS」でも10.6km/Lと、やや物足りない数値。
 ちなみにBPレガシィ2.0GTのそれは、13.0km/Lである。
 設計年度の違いもあるが、このことは近年のスバル車の燃費が、決して悪くないことを如実に示している。

 ギャラン・スポーツ・・・これの直接の祖先といっていい5ドア車の「エテルナ」も販売的には低迷し、結局「エテルナSAVA」という4ドアセダンを追加せざるを得ない状況に追い込まれていた。
 欧州では受け入れられていたのかもしれないが、この当時の日本では、5ドア車というカテゴリーそれ自体がファジィな存在だったのだ。
 ファジィなギャラン・スポーツに、合掌。


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2 コメント

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三菱自動車 (獅子丸)
2010-04-29 19:33:35
アウトバック2.5XT乗りさん、こんばんは。

あのリコール隠し事件以来、三菱は厳しい状況になってしまいましたね。まさか「ギャラン」と「ランサー」が、総合されてしまうとは、昔は考えられなかったことです。

とはいえ、今の三菱のクルマ自体は、決して悪くはないと、私は思っております。
特に「i」はとてもいいクルマで、価格が若干高めですが、セカンドカーとして購入したいと思わせるほどです。ウチの収支状況ではちょっと難しいですが・・・
返信する
この当時から降り坂・・・ (アウトバック2.5XT乗り)
2010-04-29 18:05:15
お久しぶりです、
ついに来たか~この車って感じですね(笑い)
三菱が国内販売で奈落の底に落ちていく
きっかけはこの主力車種ギャランの迷走から
始まったのは言うまでもありません
私も1997年からGDIギャラン、
シャリオグランディス、グランディスと
事情があり所有しておりましたが
ギャランは他社の車と比べるとまあまあ
評価出来ますが排ガス規制強化に
GDIが対応出来なかった事とあの例の事件の
お粗末な対応のせいで、後に続く車が出せなかった
のが三菱の国内販売の最大の失敗でしたね
そう言う意味では現在販売されている
ギャランとランサーのあいの子見たいな5Drハッチ
もある意味失敗作でしようね、
私の会社の同僚はギャランフォルティスの
「SSTとか言うATは1度体験してみたいと思うけど
でも三菱車は所有したいとは思わない」と言いました
技術は認めるけど一般ユーザーはもう
三菱を自動車メーカーとして認めていない
のですよ、ちなみにGDIギャランの燃費は
1.8は高速でリッター15とか18キロ走り
ましたが車としては特に優れた点もなく
乗っていて面白い車ではありませんでした
2.4GDIの燃費は最悪で高速が10キロ程度
市街地5~8程度で今のレガシィの方が
よっぽど燃費は良いです(笑い)
今になって思いますが、
この当時からやっていたある意味まやかしや
ごまかしがあったからこそ今の三菱の
メーカーとしての評価が在るんじゃ無いですか?。


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